自衛隊失格 :私が「特殊部隊」を去った理由 (伊藤 祐靖)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
伊藤祐靖さんの著作は、以前「国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動」という本を読んだことがあります。
今回の本は、いつもの図書館の新着書リストの中で目にとまったものです。
普段あまり気に留めていない「自衛隊」がテーマですが、先の伊藤さんの著作が結構興味深い内容だったので、こちらもちょっと期待しつつ手に取ってみました。
やはり、全く違う世界を生きてきた方の話はとても刺激になりますね。
順不同ですが、私の印象に残ったくだりをいくつか書き留めておきます。
まずは、海上自衛隊幹部候補生学校で学ばされた「遵法精神」についての伊藤さんの評価です。
過去の組織から通底している「失敗の本質」のひとつですね。
そして、もうひとつ、イージス艦みょうこうの航海長として乗船していた時のこと。
海上警備行動が発令され、能登半島沖日本海を北上する北朝鮮不審船への立入検査実施の命令が発せられました。
自らも陥ったこのときの衝撃的な経験から、伊藤さんは「特殊部隊」設立を強く求めることとなったのです。
最後に、防衛大学校の学生に語った「離任の辞」の中の一節。
この考え方に対する評価は、人それぞれの思想・価値観によりさまざまに異なることでしょう。
とはいえ、その正否はともかく、目の前の現実を直視した伊藤さん流の「合目的的」な思考の開陳であり、“信念” の言葉だと思います。
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