情報の「目利き」になる! メディア・リテラシーを高めるQ&A (日垣 隆)
会社の方からお借りした本です。
日垣隆氏の著作は何冊か読んでいますが、本書は2002年の発行なのでちょっと前の本です。
内容は、日垣氏が「メディア・リテラシー」をテーマに、読者からの様々な質問に対して一問一答形式で答えていくという体裁をとっています。
まずは全部で20ある質問の中で、「公式サイトを開設した理由を教えてください」という学生からの問いに対する日垣氏の答えの一節をご紹介します。
この点、私自身、同様に感じるところがあります。
私も数年前(注:2010年当時)から、自分の読書の覚えを「ブログ」にアップしていますが、現時点でかれこれ500冊以上の読後感が蓄積されていることになります。(注:ちなみに2022年3月時点では1500冊を越えています)
ブログとして公開しているわけですから、基本は、当然、興味をもって訪れてくださる方々のためのサイトです。とはいえ、このくらいコンテンツが貯まってくると、訪問者のためという以上に、「私の外部記憶の一部」としての位置づけの方が大きくなっているという印象ですね。
もうひとつ、質問&回答の例です。
旅に出る目的について、実の娘さんからの質問に答えて。
日垣氏は、自分が抱いている「問題意識=仮説」について考え続けるために、「旅に出る」と語っています。旅は、「もっと深く、いろいろなことを広い視野で考えておきたい」という日垣氏の思いを具現化する方法でもあります。
さて、本書でよく登場する「仮説」というコンセプトは、日垣氏にとって考える方法の肝の一つのようです。
この「仮説設定」という方法は、日垣氏が紹介する「読書法」の中でも登場します。
ここでひとつ指摘しておきたいことは、日垣氏の場合、「仮説」を立てる段階においても「徹底した取材(情報収集)」がその苗床になっているということです。
「仮説設定」のフェーズでも「徹底した取材(情報収集)」を行いますし、「仮説検証」のフェーズでもやはり「徹底した取材(情報収集)」を行う・・・、こういう自らの手足と五感を駆使した「取得情報の希少性」がアウトプットの独創性を規定しています。
私自身、日垣氏の主張すべてに与するものではありませんが、より「真実」に肉薄した「事実」に基づいて議論・評論する姿勢はとても重要だと考えています。