入社1年目の教科書 (岩瀬 大輔)
(注:本稿は、2011年に初投稿したものの再録です)
岩瀬大輔氏の本は、以前、伊藤真氏との共著の「超凡思考」を読んだことがあるので、本書で2冊目。
タイトルどおり、「仕事に対する取り組み方のイロハ」が紹介されています。
まず、「はじめに」の章の中で岩瀬氏が示す「仕事において大切な3つの原則」は、以下のような内容です。
・原則1 頼まれたことは、必ずやりきる
・原則2 50点で構わないから早く出せ
・原則3 つまらない仕事はない
これ以外にも重要な原則は数多くあると思いますが、もちろん、この3つは全く否定されるものではありません。
本書では、こういった具体的な50のアドバイスが提示されています。
それらの中で、改めての覚えとして「社会人の勉強」についての岩瀬氏のコメントを書き留めておきます。
インプットだけでは不十分、「So what?」と問いかけながら、その自分なりの答えをアウトプットとして活かしてこそ意味があるとの指摘です。
さて、本書を読んでですが、(「自分も実行しよう」と思うものも中にはありますが、)むしろ、「最近の新人社員に対してはこういったアドバイスが必要なのか」と改めて気づかされるものの方が圧倒的に多かったというのが実感ですね。私のような年配になると、(私に対して)そのように「振舞われる」ケースの方が圧倒的に多くなるからです。
最後に感想です。
今回は岩瀬氏の著作ということで期待して手に取ったのですが、正直なところ、内容的にはかなり物足りない印象を受けました。
読者として想定している「新人社会人」のレベルはこんなものなのでしょうか。とても残念です。私の娘ももう2・3年もすると社会人の仲間入りするはずなのですが、彼女の様子を見ていると、確かにそうかもしれないとも思いますが・・・(注:ちなみに、彼女も就職したあと、本書を買ったようです)
著者自身、本書の中で「本を速読するな」「骨のあるものをしっかり読め」と薦めているのが、なんともシニカルに感じてしまいました。