破壊 ― 新旧激突時代を生き抜く生存戦略 (葉村 真樹)
(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
新型コロナの影響でいつも行っている図書館が休館になったので、手を付けていなかった本を取り出してきました。
著者葉村真樹さんによると、破壊的イノベーションで発展した企業、逆に破壊的イノベーションにより衰退を余儀なくされた企業、それぞれの営みを取り上げたとのことですが、やはり「成功事例」の紹介の方が圧倒的に多いですね。
その中から、失敗をリカバーした企業がとったアクション事例をひとつ書き留めておきます。
有名なマイクロソフトのケースです。
マイクロソフトの再興隆の軌跡は、「自分が生き残るためには何をすべきか」ではなく「自分は世界に何をもたらすべきなのか」を考えた結果でした。
パソコン時代、絶対OSのWindowsを擁し覇者として君臨したマイクロソフトは、スマホ時代にはその座をアップルやグーグルに取って代わられました。新たなスマホ用OSの登場に対し、ビル・ゲイツの後を継いだスティーブ・バルマーは、ノキアを買収しスマホへのWindows搭載(ウィンドウズフォンの提供)という戦略を選びました。
しかし、その戦略は失敗。新たにCEOに就任したサティア・ナデラはイベントでこう語り、大きく戦略の舵を切ったのでした。
ここに新しいマイクロソフトのバリュー・プロポジションが明示されました。
このマイクロソフトのエピソードは、著者が説く「3つの生存戦略(「人間中心に考える」「存在価値を見定める」「時空を制する」)」のひとつ “存在価値を見定める” の最も分かりやすい実例だと思います。
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