100 POSTCARDS―月日は流れ わたしは送る 100通の絵葉書― (四方田犬彦)
著者の四方田犬彦氏は比較文学者です。映画にも造詣の深い著者が、著者自身が選んだ絵や写真を添えた絵葉書のスタイルで、100人の友人知人に宛てにメッセージを送ります。とても変わった体裁の本です。
100の宛先のほとんどは私の知らない方々ですが、著者からの葉書の文面から、それぞれの人となりについていろいろなイメージが浮かんできます。
そのうちのいくつかをご紹介します。
まずは、草月流家元であり映画監督でもある勅使河原宏さんにあてた葉書から。
また、こんな言葉もありました。フランスの美術史家ジョルジュ・ディディ=ユベルマンさんへの言葉から。
絵葉書の写真は、若橋一三氏による「アウシュヴィッツ強制収容所の洗面室」です。
そして、最後にご紹介するのは、著者の祖母、四方田美恵さんに送る絵葉書です。
この祖母の言いつけが、本書の構想のきっかけになったということです。
ちなみに、本書ですが、巻末にすべての葉書のメッセージの英訳が載せられています。100のメッセージのうちひとつがハングルで書かれていたので、それだけは英訳のお世話になりました。
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