(注:本稿は、2014年に初投稿したものの再録です)
久しぶりの中村天風師の著作です。
別に天風師の教えに傾倒しているわけでないのですが、師の著作は、時折、読んでみようと思いますね。今までも「君に成功を贈る」「幸福なる人生」等を読んでいますが、本書もそれらと同じく、師の講演を書き起こしたものです。
もちろん、師の教えは著作によって変わるものではありませんから、新たな本を読んでも、それは師の一貫した考え方を“復習”するということになります。
ということで、改めて “前向きな言葉”の大切さについて。
「積極的な精神」を作るための第一歩は「悲観的な言葉を決して口にしないこと」です。別な言い方をすると、どんな状況に陥ろうと「感謝」「喜び」に振り替えろ、不運や不幸は「自分の生き方の間違いを自覚させてくれた」のだと考えろという教えです。
常に前向きな言葉を発するように心がけることは、よい結果をもたらすための “暗示の感受習性” を活かした方法でもあります。
その結果、思い続けていると実現する、口に出した言葉がその後の結果に現れてくるとの説です。
次は、「観念要素の更改」について。
天風師の代表的な言葉に「人生は心ひとつの置きどころ」というものがあります。
その具体的な「心のクリーニングの方法」を天風師はこう語っています。
この寝る前に楽しいこと・うれしいことを考えるのは、先に紹介した “暗示の感受習性” の応用でもありますね。
さて、最後にもう一度、「人生は心ひとつの置きどころ」について。
今までとは全く違った見方・考え方で、心の思い方・考え方を“取り扱う”ようになるというのが、天風師の教えの到達点なのでしょう。
自分自身で自らの「考え方」を制御する。体のみならず心も客体化する思想です。