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東京の教科書 (JTBパブリッシング)

(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)

 いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。

 「東京」を多角的な切り口から解説したビジュアル本です。
 “教科書” とあるように、国語・算数・理科・社会・・・、といった各科目ごとに「章」立てし、豊富な図版や資料を駆使してテンポよく解説していきます。

 期待どおり様々なジャンルの蘊蓄の集まりでどの項も興味深かったのですが、私としては、やはり今の住まいのあたりの話題が気になりましたね。

 まずは、「理科(地球史)」の “立川断層”

(p36より引用) 立川断層を震源とするのは、内陸型地震。地下の断層にプレート移動など何らかの力が加わることでさらにずれが生じ、その衝撃で起こる地震だ。・・・
 立川断層は、太平洋プレートやフィリピン海プレートの動きに誘発されて動く可能性が高く、それを原因とする地震は震源が比較的浅い地下5~20kmで起こると考えられているために、「直下型」ともいわれ、懸念されている。では立川断層とはどこを指すか。国と東京都で見解が異なる。国の見解は、関東山地東部の埼玉県飯能市から武蔵野台地西部の東京都青梅市、立川市を経て府中市に向かう約33km。東京都の見解は、青梅市の小曽木笹仁田峠付近から武蔵村山市三ツ木や立川市砂川町を経て国立市谷保までの約21km。マグニチュードは断層の長さに比例するため、次に起こる立川断層を震源とする地震の規模の国の予測はマグニ チュード7.4で、 都の予測は7.0。地震の規模で考えると国の予測のほうが4倍大きい。

 事程左様に、国と都では場所以外でも活断層の種類・地震の周期等、見解が異なっているようですが、ともかく私はまさに “そのあたり” に住んでいるので気にならないわけにはいきません。
 かといって、転居するわけにもいかないのですが・・・。

 そして、もう一点は「社会(地理)」の “国分寺崖線”

(p108より引用) 国分寺崖線とは、立川市から国分寺市、世田谷区などを経由して大田区へ続く約30kmの“崖の連なり”のこと。立川崖線とともに、古代の多摩川が南へ流れる過程で、武蔵野台地を削ることでできた河岸段丘の連なりだ。具体的には立川市砂川九番から、野川に沿って東南に向かい、東急線二子玉川駅付近で多摩川の岸辺に近づき、それから先は多摩川に沿って大田区の田園調布まで続いている。

 この “国分寺崖線” もご近所さんなのですが、こちらの場合は、紹介ページのタイトルが “水が湧き出る緑の台地 その源となっている国分寺崖線の魅力” “美観を生む崖の連なり” とあるように、読んでいても晴れやか気持ちになりますね。

 ちなみに、立川断層は地殻変動、立川崖線は国分寺崖線と同様に河川(多摩川)の浸食によるもの、たまたま同じエリアの似たようなネタですが、出自は別物です。



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