ナイルに死す (アガサ・クリスティー)
(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)
ちょっと前に映画「ナイル殺人事件(1978年版)」を観ました。
最近もまた映画化されたようで、そうなってくると、やはりアガサ・クリスティーの「原作」を読んでみようという気になってくるのです。
ということで、いつも行く近所の図書館から文庫本を借りてきました。
ネタバレになるとまずいので、内容には触れませんが、読み終わっての印象は、彼女の代表作のひとつということもあり、流石にしっかりとした構成の密度の濃い作品だと感じますね。
少々欲張り過ぎのような印象を与える枝葉のエピソードも、物語の展開の中できちんと丁寧に回収しています。
映画の方も、結構、原作に忠実に作ってあるようです。
最後、オリエント急行殺人事件と同様に、関係者が一堂に会した場でエルキュール・ポアロが謎解きを披露するのですが、これは映画ならではの演出でした。ちなみに、私は、わざとらしさを感じる映画のラストよりも、原作のエンディングの方が好みですね。
さて、作中、レイス大佐とエルキュール・ポアロとの間で、こんな会話が交わされていました。
なるほど、サスペンスの “謎解き” の王道ですね。