大人の流儀 (伊集院 静)
「週刊現代」に連載されたエッセイを再録したものです。
書店でも評判になっているということで手にとってみました。一冊の本という形で伊集院氏の著作を読むのは、たぶん初めてですね。
ただ、正直なところ、帯に書かれているようなシーン(苦難に立ち向かわなければならないとき。どうしようもない力に押し潰されたとき。とてつもない悲しみに包まれたとき。・・・)と正対したとき、思い起こすであろう「心にズシンと響くようなフレーズ」には、ほとんどお目にかかりませんでした。
とはいえ、興味深いくだりもあったので、その中から1・2、覚えに書き留めておきます。
まずは、何ものにも拘束されない時間の大切さに触れた一文から。
仕事や家庭・・・、およそ身近にあるものとの関わりをまったく持たない空間と時間を持つこと、たとえば、ホテルの一室で、たとえば目的のない街歩きで・・・、それによって新たな気づきがあるというのです。
一度やってみたいと思いますが、これがどうして、なかなか・・・ですね。
あとは、このフレーズ。
確かにそのとおり。
「自分もそうだから、他人もそうなんだ、いろいろあるんだ、そうに違いない」と思い至ること、このことを意識しているか否かによって、人への接し方・心遣いに大きな違いが出てきます。
さて、本書。巻末に故夏目雅子さんを偲んだ一文が載せられています。
改めて太陽のように輝いていたクッキーフェイスを思い出しました。
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