裸でも生きる ― 25歳女性起業家の号泣戦記 (山口 絵理子)
(注:本稿は、2021年に初投稿したものの再録です。)
大分以前に、よく聞いているpodcastの番組に著者の山口絵理子さんがゲストとして登場されて、その話に大変興味を持ちました。
本書は、その山口さんの自伝的エッセイ。
まだ20歳代(当時)ではありますが、彼女の成し遂げつつあることは素晴らしいですね。どんなことがあっても夢に向かって真正面から体当たりし続ける山口さんの悪戦苦闘ぶりが、怒涛の如く押し寄せてくる一冊です。
ということで、本書で紹介されている数々のエピソードの中から、特に印象に残ったくだりを書き留めておきます。
まずは、ダッカでの大学院時代、洪水被害にあったバングラディシュの人々の様子を見たときに受けた強烈なショック。
そのショックで挫けることなく、山口さんはジュートを使ったバッグ製造を手掛ける事業を立ち上げる決心をしました。自分ひとりで。ここで彼女の素晴らしさは、その思いを貫きとおした頑張りです。
しかしながら、サンプルを作ってくれる工場探しでの苦労、初めの一歩から前に進めません。
そして、ようやく工場を見つけバッグを作り販売開始してからも、山口さんの苦闘は続きます。
そこで山口さんがとった行動は「一からバッグ作りの修行をする」ことでした。バッグの専門知識を自ら身につけてバングラディシュの工場のみんなに伝授しようと考えたのでした。
その後も想像できないような数々のトラブルに見舞われながらも、信頼できる現地スタッフや職人さんと出会い、なんとかリニューアル商品を作り上げて日本での販売開始。そして、大手百貨店での取り扱い、Webサイトでの販売も好調。
本書が描いているのは、ここまでですが、その後も決して順風満帆というわけではなかったようです。
とにもかくにも、山口さん、20歳台半ばにして、物凄い振幅の激しい人生を歩んできていますね。小学校でのイジメ、中学のときの非行、高校での柔道、そして大学を経て、いきなりバングラディシュを訪れての大学院生活と起業。いつもリミット一杯まで進み切っては、また別の振り子に乗り換えて・・・。
そして今、事業をしっかりと根付かせて“一流の実業家”として活躍を続けている山口さんがいます。
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