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古代文字の解読 (高津 春繁・関根 正雄)
(注:本稿は、2024年に初投稿したものの再録です。)
いつも利用している図書館の新着本リストで目についたので手に取ってみました。
エジプト聖刻文字、楔形文字、ヒッタイト文書、ウガリット文書、ミュケーナイ文書、「古代文字の解読」という日ごろ触れることのないジャンルは大いに気になりますね。
1964年発刊の著作が底本ということなので、今から半世紀以上前の内容ですが、当時の時代感も合わせて感じられる興味深いものでした。
ただ、とても残念で情けないことに、本書に記された解説は言語学の専門的記述がほとんどで、正直そちらの方面には全く門外漢の私にとっては全くついていくことができませんでした。
そのなかで、何とか解説のイメージが浮かんだところだけでも書き留めておきましょう。
エジプト聖刻文字と楔形文字の「解読の手順についての相似」に触れたくだりです。
(p134より引用) アケメネス朝の王達の刻文にみられる第三類が第一類の翻訳であることは明らかであった。第一類の古代ペルシア語がこのペルシア王国の主な言語で、それ故第一に記されていたからである。それで第三類の解読は、第二章に述べたロゼッタ石によるエジプト聖刻文字の解読が、聖刻文字の下に書かれていたギリシア文によったのと同じような事情になった。聖刻文字解読の場合に、プトレマイオス、クレオパトラー、ベレニケー等の固有名詞が最初の手がかりとなった、と同じように、アケメネス朝の王達の刻文の第三類解読の場合も、固有名詞に最初の注意が向けられた。
このように、解読にあたっては、同じ内容を異なる文字で表した、それも有名な「固有名詞」を含んだ「遺物」の存在が解読のキーファクタだったようです。
ともかく、本書、私の手には負えませんでしたね。
もう少し、それぞれの言語の解読にあたっての素人でも分かるような苦労話やエピソードめいた逸話が紹介されているのかと思ったのですが・・・、全く予想と期待が外れてしまいました。
もちろん、それは本書の価値を否定するものではありません。ひとえに、書かれている内容が私の勝手な思い込みとは違っていたということです。