アリエリー教授の人生相談室 ─ 行動経済学で解決する100の不合理 (ダン・アリエリー)
(注:本稿は、2016年に初投稿したものの再録です)
ダン・アリエリー氏の著作は、「予想どおりに不合理」「ずる」等を読んだことがあります。
本書は、ウォールストリート・ジャーナルに連載されたコラムの書籍化とのことなので、さらに読みやすくなっています。
ただ、内容は、本当に雑談のような「コラム」の集積でしかありません。この本を読んで「行動経済学」に関する知見が深まるかといえばそれは無理でしょう。とても貧弱です。
たとえば、行動経済学における代表的な成果であるプロスペクト理論の「損失回避バイアス」についても、こういった触れ方に止まっています。
また、「意思決定」行動についてはこんな記述があります。
これでは、理論の解説ではなくHow toとかTipsの類の紹介ですね。
ということで、本書を読んで最もためになったのは、行動経済学で読み解かれる実社会での人々の行動例や、今後の行動経済学の探求テーマとなりうる人々の特異な行動パターンとかの紹介などではなく、「前の車が横入りを許すとムカつく」というタイトルのコラムに記されていた一節でした。
延々と続く渋滞の中で、自分より前にいる車のドライバーが何台もの車をいれてあげる、入れてもらった車のドライバーは喜び、かれらに感謝する。でも、自分は・・・。
この考え方は改めてそうだと思いますね。
正直なところ、私も大いに反省すべきところがあります。
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