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歌枕殺人事件 (内田 康夫)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 かなり以前に読んだ内田康夫さん“浅見光彦シリーズ” ですが、このところ、私の出張先が舞台となった作品を、あるものは初めて、あるものは再度読んでみています。

 今回は “宮城” です。
 宮城(仙台)は、今勤務している会社でも、以前勤めていた会社でも拠点があったので年に数回は訪れていました。

 ネタバレになるとまずいので内容には触れませんが、この作品の主な舞台は「多賀城」。仙台からそれほど離れていないので、光彦の活動拠点は仙台市内のホテルでした。ただ、モデルとなったホテルが推測できるような描写はありませんでした。

 その他に馴染みの場所が登場するかとちょっと期待したのですが、せいぜい「秋保温泉」ぐらいでしょうか。私は行ったことはないのですが、昨今は “おはぎ” が有名ですね。餡ときな粉と胡麻。出張の折、何度か頂きました。

 さて、ストーリーの方はといえば、いつものように急転直下謎解きに向かう展開ですが、今回は、推理のキレをはじめとして光彦の思考や行動には歳に不相応な “甘さ” や “未熟さ” が目につきましたね。そのあたり、どうにもスッキリしませんでした。
 あと、ヒロインについても、タイトルに掲げたモチーフに合わせてもう少し設定されたキャラクタを活かす工夫があってもいいように思いました。

 シリーズの中でも平凡な出来ですね。次に期待しましょう。



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