「わたし」は「わたし」になっていく (落合 恵子)
(注:本稿は、2019年に初投稿したものの再録です)
私ぐらいの年代の人間にとって落合恵子さんといえば、文化放送の人気深夜放送「セイ!ヤング」のパーソナリティのイメージですが、その後、作家としてエッセイ・小説・児童書等幅広いジャンルでの執筆活動でも活躍されています。
本書は2013年6月〜11月、東京新聞・中日新聞に連載されたコラム「この道」を加筆修正して採録したものです。
落合さんの人となりのルーツがエッセイの形で綴られているのですが、その中から特に印象に残ったものを書き留めておきます。
落合さんが小学校の低学年のころのエピソードです。
落合さんのお母さまは昼間は神田にある小さな会社で経理の仕事をしていました。そのお母さまが夜ビル清掃の仕事にも出始めたのですが、落合さんはそのことを友達に知られたくなくて、お母さまにビル清掃の仕事をやめて欲しいと頼んだのでした。
この本ほど、著者の考え方や生き方がストレートに表されている著作にはあまりお目にかかりません。それを伝える語り口は自然で、読む側の心にスッと入ってくる印象です。
落合恵子さんが深夜放送のパーソナリティをやっていたのは結構短期間だったのですね。その後の多方面にわたる活動にも一本芯が通っていて、とても魅力的であり続けている方だと思います。
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