13歳からの地政学 : カイゾクとの地球儀航海 (田中 孝幸)
(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)
SNSで紹介されていたので読んでみました。
いつもの図書館にも収蔵されていましたが、予約は40人を超える待ち行列でびっくりしました。かなり話題になっているようですね。
私も「地政学」にはちょっと興味があるので、こういった入門的な本はとても助かります。
まったくの初学者なのでどの項目も勉強になったのですが、特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。
「絶対に豊かにならない国々」とタイトルされた章。
アフリカ諸国の社会構造や労働環境に言及しつつ、“安くて良いものの危うさ” をカイゾクさんはこう説きました。
これは “フェアトレード” への関心を惹起させるコメントですが、本書では、“国の地理的条件をもとにその国々の政治・経済・社会を分析/考察する” 中で、同時に「格差」や「差別」といった「平等」や「人権」に関わる知見も伝えています。
そして、別のところでは、こんなカイゾクさんの言もありました。
13歳ぐらいの年齢で、こういった大切なメッセージをシンプルに受け取る機会はあるのでしょうか?
もちろん本来的には「学校」がその第一候補なのですが、「地理」「歴史」「政治・経済」といった従前からの “授業科目” をイメージすると漏れ落ちてしまいそうです。ましてや、日本の教育における「道徳」や「公民」「倫理社会」といった科目のスコープにも入っていないのでしょう。
(これらの科目が今の学校の科目にあるのかもわかっていないのですが、少なくとも遥か昔、私が10代のころの「学校」で学んだ記憶はありません・・・)