今までで一番やさしい経済の教科書 (木暮 太一)
タイトルを見て、どんな内容か興味をもったので読んでみました。
表層的な概説本ですが、「経済的な事象」の基本中の基本をザッと頭に入れるという目的であれば、読みやすく分りやすい本だと思います。
ただ、説明の構成には論理的なストーリー立ては全くありません。経済的な事象を語るのに登場する「単語」の意味を、極々単純化して説明しているだけです。その点では、「超初級者向け経済基本用語集」といった方がいいかもしれません。
タイトルにある「一番やさしい」というのはそのとおりだと思いますが、「経済の教科書」といえる内容ではありませんね。(私も読んだわけですから偉そうなことは言えませんが、)もし、本書が、大学生や新人社会人を読者として想定しているのだとすると、正直、あまりにも情けないと感じざるを得ません。
あと、本書を読んで、どうしても首肯できなかった部分です。
そういう状況において、人はどんな仕事を選べばいいのか。著者の答えはこうです。
何かしっくりきません。大好きな仕事を選ぶべきというのはそのとおりだと思います。が、「人件費を抑えて利益を出す」という前置き(条件)がつくと物凄い違和感を覚えます。(結果、「報酬ももらえる」ということは、そこでやはりコストはかかるわけですし・・・)
まあ、読み手によって、本書の評価はものすごくバラつくと思いますね。
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