バビロン行きの夜行列車 (レイ・ブラッドベリ)
(注:本稿は、2020年に初投稿したものの再録です。)
あまり手にしないジャンルの本です。
短編集としては高い評価を得ているとのことだったので、かなり以前から気になっていました。
ちょっと変わったテイストの21の短編が収録されています。著者の得意なジャンルは「SF」のようなのですが、そういわれると、多彩なプロットでバラエティに富んでいるどの作品もちょっと“ファンタジック(幻想的)”な香りがします。
さて、読み終わって、私が気に入った作品はというと、「覚えてるかい? おれのこと」ですかね。二人の男がそれぞれに抱いた“気持ちの澱みや揺れ”に、リアリティを感じました。こういう感覚ってありそうだね、という共感です。
その他は・・・、短編ならではのエンディングの工夫は感じるものの、ベースになる気質が違うのでしょうか、どうも波長がまったく合わなかったですね。