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池上彰の学べるニュース2 (池上 彰)

(注:本記事は2010年に初投稿したものの再録です)

 今人気沸騰中の池上彰さんのニュース解説番組とタイアップした本です。

 取り上げられているテーマは、「郵政民営化」「検察審査会」「教科書改訂」「中高一貫」「核兵器削減」「北朝鮮の核開発」「デノミ」「朝鮮半島」「ギリシャ財政破綻」「アメリカ経済復活」。タイムリーで多彩な材料を、とても分かりやすく説明していきます。

 たとえば、最後の「アメリカ経済復活」の項では、リーマンショックのからくりやアメリカが復活していくきっかけ等を簡単に解説したあと、日本の先行きについてもコメントしています。

(p206より引用) 今後、アメリカの金利が少しずつ上がっていくことが予想されるなか、為替がドル高・円安に振れていく可能性があります。・・・
 冒頭で「日本の自動車会社が営業黒字に転換した」という話をしましたね?それこそが景気回復の兆し。日本の景気がこれからジワジワと良くなっていく可能性が高いと言えるでしょう。

 未だに「自動車産業」が経済回復のメルクマールだとされていること自体、「そういう旧態依然とした経済構造のままでいいのか」という根本的疑問が残りますが、ともかく早く景気が上昇するといいですね。
(このくだりも、今(2022年)から見ると残念ながら期待は大きく外れてしまいました)

 さて、本書を読んでの感想ですが、こういう本がベストセラーになることは必ずしもいいことではないですよね。一読すれば分かると思いますが、この程度の解説をありがたがるというのは、正直なところとても情けない状況です。

 これは、決して本書をもって「意味の無いもの」だと言っているのではありません。
 本書の助けを借りないと、時事問題への関心が沸かず、また出来事の背景や影響を理解できないという状況を、私も含めて大いに反省すべきだと思うのです。



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