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破門 (黒川 博行)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 このところ気分転換に読んでいる娯楽系の小説は、シリーズ読破にチャレンジしている内田康夫さんの “浅見光彦シリーズ” に偏っているので、ちょっと息抜きとして、今まであまり読んだことのない作家の方々の作品にトライしてみようと思っています。

 手始めに、これまた今まで意識的に避けていた「有名な文学賞」を受賞した作品から当たろうと考えて本作品を選んでみました。
 第151回直木賞受賞作です。

 さて、エンターテイメント小説なのでネタバレになるのは避けて具体的な内容には触れませんが、読み終えた感想としては、正直なところ「んんん。。。こんな感じかぁ・・・」といった印象でした。

 全編大阪弁のやりとりでテンポよくストーリーは進んでいきますし、特殊な業界のディーテイルもしっかりと書き込まれているのでそれなりの密度は感じますが、物語としてのプロットや登場人物に対しては、心理的に引き込まれるような深みや魅力は感じられませんでした。ちょっと残念です。

 ちなみに、黒川博行さんの作品はこれが初めてではありません。数年前ですが、以前勤めていた会社の同僚の勧めで「後妻業」を読んだことがあります。
 どちらの作品も文芸雑誌での発表が2014年ですから、執筆時期はほぼ同じころです。なるほど、黒川さんの作風はこういうテイストなんですね。




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