どこへ還る
母が夢の中にあらわれる
見知らぬ大きな施設に遊びに行く
息子たちはまだ小さくて
長い階段をみんなで必死になって登っている
息子たちはスイスイと急な危ない階段を登ってゆく
私一人が立ち往生
母も上手に登ってゆく
わたしも降りぬに降りられぬ階段を必死に何とか登り着く
本当はもう母の身体がないことが私の中では分かっている
小さな二男は何故だか私にダダをこねる
そこに長男がやって来て二男を言いふくめている
長男は口八丁手八丁で二男を丸め込んでいる
長男はこういうことが上手い子だった
家に戻ると家の植木が全て刈られていて丸坊主になっていた
驚いたが植木屋さんが新しく植木を植えるつもりという
私は母の身体がもうなくて
母はどうなるのかが不安で不安で仕方がない
そう、ようやく私の中で母はもう鬼籍なんだと分かってくる
でも母はいる
母の肉体はないけれど
母はいる、生き続けている
母はどこに還るのか…
そう思ったら目が覚めた
悲しくて涙が出そうになる
泣きそうで泣けない
布団の中で「会いたい」と何回も呟いていた
母はどこ行くの?
神様の元に還っている
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