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ヘナ染め

久方ぶりの美容室で鏡を見ると
先月染めた髪には白髪がある
美容師さんに
「白髪が出てるね」と聞くと
「少しね」と後ろの見えない場所をめくられて、教えてくれる
「それでも歳の割には少ない方」 

同級生の友達はみんな
かなり前から毛染めをしている
仲の良いKちゃんは最近薄い金髪にした
苦肉の策とはいえカッコいい

夕方に居眠りをして
その後からヘナ染めをする
母がやっていた様に卵の白身を入れる

髪の毛を切ったばかりだから
ヘナも楽に染められる

染めてから一時間あまり
ラップとタオル、銀色のキャプをかけて
ヘナを染み込ませる

母もこうして自分でやっていた
わたしが染めると「丁寧すぎる」と叱られた

もう懐かしい思い出話

シャワーを浴び
ヘナを落とす
頭の中からヘナの草の匂いが芳しい

母がいた時には十日に一度
染めていた
その頃に買い置きをしたヘナがまだ沢山ある
私一人では使い切れない
ずっと息をしているだけだった

時々思い出したように染めるだけ
少しずつ少しずつ立ち直りを見せているが

まだまだ時折涙する
母がいないことに慣れることはない
ひとりはやっぱりさみしいよ

ヘナ染めの色は母の色
母の白髪が綺麗に染まる

わたしもいつか母のようになるのかな

父に似て白髪の少ない私でも


カッコイイヘナ染めの髪、派手だけど憧れる

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ノリかな
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