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ボーナスタイム

「ほんとはね

去年の今頃にばあちゃんは

死んでいてもおかしくなかったよ」

当時のことを一部始終見ていた息子に言われた

息子の仕事は患者さんに寄り添う医療従事者

一般人とは異なる視点を持っている

わたしの骨折では

お母さんとの時間の猶予をもらったのか

この一年はボーナスタイムだったという

「母はばあちゃんのことを一所懸命にやったよ」
と息子に言われ、ハッとした

そんなことはないだろう

どこが、どこが…

わたしは至らないところばかり

それでも息子はわたしのことを認めてくれる、ほめてくれる

そんなはずはない

後悔ばかりが募る

でもね、一緒に暮らして

お母さんの懐の大きさをあらためて見せてもらった

この一年はかえがえのない時間だった

お母さんのことが大好きなのに

素直になれなかった

ごめんね

息子にしてみれば

お母さんとわたしの間柄に

ちょっと焼きもちを妬いてたみたい

「ばあちゃんは母に甘えていたよ」

そうなの?

わたしにとってはかわいいお母さん、かわいくて、かわいくてたまらないお母さん、いとおしい

もっともっと一緒にいたかった

それはわたしの欲張りな願い

一年のボーナスタイムをもらったのに

それすらももらえなかったら

もっとかなしい、つらい、腹立たしい気持ちになっただろう

「母の骨折も…いいことだったよ。骨粗鬆症も分かったし、ちゃんと治療もしてもらえたし」

何でもいいことと思える息子に励まされた

そうなんだ、お母さんは母親であったけど

どこかでわたしの子どものような存在

だからわたしは
まるで子どもを亡くした親のように泣くのか

つらく、苦しく、かなしくてたまらない

守ってあげたい存在だったんだ

買い物にいっても

「ああ、これお母さんに食べさせたい」
「これ、お母さんの好きなものだ」

と未だに思える

お祈りだって

まだまだ息子たちとお母さんをお守りくださいと言い続けている

少しだけ、少しだけ息子の言葉に癒された

ありがたい、ありがたい

神様からのボーナスタイム

この骨折も意味があったのか

お母さんからの時間のプレゼントを

ありがとうって

言いたいけれど…



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ノリかな
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