胎児の自殺

胎児に意思はあるのか？と…

わたしは生まれる前に自殺をした
臍の緒を首に巻いて仮死状態で産まれてきた

祖父曰く「娘の結婚相手は黒人だったのか」
生まれたばかりの私を一目見て言ったという
血は通わず真っ黒で、泣きもせず

いつだか祖父からその話しを聞かされて
私は妙に納得した
生きていてもいいことはない
苦しみだけがやってくる

人から意地悪をされ、自分も性格が良いとも言えないが、それ以上に嫌なことばかりに襲われる

でも死ぬほどの苦しみを味わっても死にたくない
いつの間にかこんな風に変わってくる

そりゃそうだよ
こんな人生、滅多にない
ドン底から這い上がり、這い上がりして
なんとか立ち上がると
またこれでもかと突き落とされる

胎児が自殺を考えるくらい
つらい、いや逆に深くて楽しい人生なのかもしれない
二度と味わえない生き方をさせてもらっている

でももういいや…
これが最後の肉体と思って生きてきた

もう生まれ変わりはしたくはない

最後にあのソウルメイトに逢えるなら
今はそう思って生きている
魂だけの繋がりを求めている

もしももしも、もう今世で逢えないならば生まれ替わりも仕方あるまい
そんなことまで感じ始める

今はまだあの世に還った母が待っていることしか思えないけれど
母は迎えてくれることを
笑って待っていてねとお願いをする

胎児のくせに自殺を考えた私って
なんなのか…

なんのはなしですか