ブルーシティ、ジョードプル散歩【インド#7】
ラジャスタン州の西の果てのジャイサルメールを去り、少し東へとバスで7時間ほど揺られてジョードプルという街にやってきた。
ジャイサルメールは黄金の町だったが、ジョードプルはブルーシティと呼ばれている。
ジョードプルでは、2ヶ所の宿に泊まった。1ヶ所目はバルコニーもあって、Wi-Fiも繋がってお湯もスイッチを押したら5分後には出たので、久しぶりに温かいシャワーを浴びて洗濯をして、ネットも見れた。
体中タトゥーだらけのネパール人の宿のお兄さんは、子供みたいにかわいく笑う、とても優しいオーナーだった。
この宿は部屋番号はなく、タイトルがつけられていて、私の部屋の名前は「No more trouble」。
本当に心からそれを願う。
ジョードプルの町は道が入り組んでいてなかなか覚えられなくて同じ場所をぐるぐる回った。あちこちの壁が青く、モロッコのシャウエンの町と違ってイラストがインドテイストで、ターバンがよく描かれているのが面白い。あとは牛と鳩のフンが落ちまくっていて足元に注意が必要なのもモロッコと違うインドらしいところだ。
この町でも、すぐに城には行かず、いろんな角度から城を見上げたり、ルーフトップのレストランから城を眺めながらご飯を食べる日が続いた。
城に少し近づくためには小高い丘に登らなくてはいけなくて、そこから見る景色から、青い家が点々と飛び込んできた。
高いところから見る景色はやはり気持ちが良い。
町の中心部には階段井戸があり、時計塔がある。
道に迷ったら、とりあえず時計塔を目指して歩いていたので、昼も夜も何度も時計塔に出くわした。
この時計塔とメヘラーンガル城は、日本人の間では、アニメ「ワンピース」のアラバスタ編で描かれた場所だと噂されている。
ワンピースを見たことがないので知らないが(ドラゴンボール世代なので、その後の同じジャンルのアニメには手が出なかった)、どうやらワンピースファンがこぞってくる聖地らしい。
時計塔は、割といろんな町に同じようなものがある。チェンライとかエジンバラとか札幌とかにもあった。でも、ファンがそう言うならそうなんだろう。
という訳で、ワンピースファンの方々、こちらがその場所です。
お確かめください。
2ヶ所目の宿は、びっくりするほど青かった。
部屋から出るとすぐにシヴァ神がいた。
ウェルカムチャイを入れてくれるお父さんがいて、1人でよく働くネパール人のお兄さんが作ったヌテラバナナトーストは、あまりに美味しくて、3日続けて朝ごはんに屋上で食べた。
屋上のスペースからはメヘラーンガル城を間近に見ることができて、チャイを飲みながらここでぼーっと過ごす朝と夜が好きだった。モロッコのブルーシティ、シャウエンも同じ理由だったと思うが、諸説あるが、青色に塗るのは涼しく感じるためらしい。確かに涼しげではある。
そのせいなのか、バルコニーがなかったせいか、夜の気温が8度のせいか、なかなか洗濯物が乾かなくて困った。
何日間もブルーシティをただ歩いていたのだが、このジョードプルという町はそれほど見所があるわけでもなく、2日間くらいで通り過ぎる旅人が多い。
私にはこの町でどうしても行きたかった場所があったのだが、そこにもなかなか行かず、城にも行かないまま数日が過ぎ、5日目に、ようやく重い腰をなんとか上げて、いよいよこの町の大目玉、メヘラーンガル城に入ることにした。
続く
同じようなモロッコの青い町を旅した時の話はこちらを。