朝はコラカオ
春はあけぼの。
みたいな感じで、
朝はコラカオ。
コラカオを飲もうと思って、ムクリと起き出したソロキャンプ2日目の朝。
夜は寒かったが、カイロはいらない程度で、ナルゲンボトルの湯たんぽも蹴飛ばして寝袋の中で行方不明になっても、半分寝ぼけながら捜索するほどの切迫感もなく、ちょっと寒いかもと軽く縮こまる程度の寒さだった。
そんな気温12℃の夜。
次の寒い夜の対策のために気温も記しておこう。
5時前に土砂降りの音で目が覚めた。
降水確率0%だったよね。
誰に聞くわけでもなく問う。
暴風でテントの横っぱらが寝袋の私に迫っていた。過去の暴風警報でテントが宙に舞ったあの悪夢を思い出してビビる。
しかし、あの時と違って、ペグを全て地面の深くまで斜めに打ち込んでロープもピンと張ってある。大丈夫だ。
そう言い聞かせてもやはり心配で熟睡できず、二度寝、三度寝、四度寝を繰り返してしまい朝が来た。
雨はいつの間にかやんでいて、右側のファスナーだけ開けてみたら、琵琶湖がとても澄んでいた。
テントの中では暴風が吹いていたかのように、ちょっとだけとっ散らかってはいるが。
テントの中へ琵琶湖からのヒヤッとした風を入れ、暑くなってきてダウンを脱ぎ捨てて転がって過ごした。
テントの外に出て、昨日打ち込んだペグが全く弛まずに大地と繋がっているのを確認しホッとする。
これで安心してトイレに行ける。
GRのカメラを持ってトイレへ向かった。
早朝の雨の名残が雲が多い空だが、ドラマチック感が出るので好きな空である。
なんて気持ちのいい朝なんだろう。
テントは空を飛ばず、お漏らしをすることもなく、水没する訳でもなく、そして他のキャンパーも釣り人も見渡す限り誰もいない。
薄着だとちょっと肌寒いくらいの気温も一番好きな気候。
史上最高のソロキャンプの朝である。
そんな朝。
つまり。
そんな朝はコラカオなのである。
さっそく牛乳を温める。
コラカオは、スペインを旅していた時に、朝に何杯飲んだか分からない飲み物。
スペインを歩いたカミーノの旅で、歩き始めて1〜2時間後の朝ごはん(desayuno)の時には必ず毎朝コラカオを飲んだ。
コーヒーが飲めない私にとって、旅先での温かいドリンクメニューのバリエーションがどうしても乏しくなるのだが、コラカオは私が子供時代しょっちゅう飲んでいたミロに似ていて大好きになり、初めてスペインで飲んで以来毎日ずっと、朝はコラカオだった。
色んな人と朝ごはんを食べた朝方のスペインのバル。
コラカオの飲んだ数だけカミーノの朝があった。
そろそろ、コラカオって何?って方はこちらをご覧ください。
味ももちろん大好きだけどそれ以上に、スペイン旅の象徴の一つでもある、私にとって特別に大切なコラカオを、なんと彦根でてんやわんやさんから頂いた。
スペインから日本へ大変な道のりを経て、私の手元にやってきた魔法の粉、ColaCao。
ドラマチックが過ぎる。
キャンプの朝にこれを飲むために、キキララのプチ袋に入れて怪しい粉のようにして琵琶湖まで持ってきたのである。
怪しい粉をホットミルクに溶かしてよく混ぜた。
コラカオは、飲み終わった時にコップの底にびっくりするくらい沈澱していることがよくあるので、そこは決して私はしくじらない。しつこいほどトルコのスプーンで混ぜた。
甘くていい香りがする。
私の大好きなスペイン。
嬉しい。
美味しい。
あったかい。
今年も、昨年と同じハロウィンのサブレが売られていたのでまた買った。
コラカオにポチャンとハロウィンサブレをつけて食べたりした。
朝はコラカオ。
朝に飲むコラカオが最も美味しい。
それを琵琶湖で再確認した。
さて、たたみかけるように、2回目の朝ごはんの支度を。
もう少し続く…
#史上最高キャンプ2022 でまとめています。
坂口健太郎とお揃いのお皿、すずがみ。
なぜか値段が2倍になっている…