GRと打ち上げ花火
和歌山、熊野へキャンプに来たら、急きょその地で延期になってた花火大会が今夜行われることを現地で知った。
やったー。
今宵の私もツイている。
さっさと熊野牛を焼いて平らげて、熊野本宮大社の近くの大斎原の横の河原へとやってきた。
こういう旅の途中の急展開なスピード感が好きだ。ひたすらのんびりするのもいいけれど、突然入ったアポに急きょ対応する感じが、私の性格的に燃えるというか、ワクワクする。
夜ののんびり大露天風呂を諦めたのだから、それ以上のものをつい期待してしまい勝手に緊張してきた。
さて。
私の打ち上げ花火の撮影テクニックといえば、この程度のもの。
悪くはないけど良くもない。
まあコンデジRX100で撮ったらこんなもんか、と思っていた。
今回は、RICOHのGRを持って臨む初めての打ち上げ花火。
GRと仲良くなってきたという自負も少しある。
夜間の撮影は設定が命である。
私とGR、互いのお手並み拝見といこう。
シャッタースピード10秒ではじめてみる。
うん。
まあこんなもんか。
諦めそうになる1枚目。
暗いから適当にカメラを向けていたら月の方が主役感ある。
それよりも三脚の角度に問題があった。
改めて次。
なんかよう分からん縮れたラインが出現。
途中で三脚を動かしてしまったかもしれない。
でも悪くない気がしてきた。
明るさとかちょうど良い気がする。
諦めずに3、4枚目。
③はシャッタースピード4秒。
③がシンプル過ぎたので、シャッタースピードを6秒に延ばして④⑤。
お!
4、5枚目に、ひゅーっていう花火の茎の部分が撮れている。
いいんじゃないの。
欲が出て、⑥からはシャッタースピードを20秒に延ばしたら、大分、花火ぽくなった。
月が相当明るい。
私もGRもノッてきた。
花火の方もノッてきていた。
三者のヴァイブスが合ってきた気がする。
ここでなぜか、シャッタースピードを8秒に縮めてみた。
シンプルでいい。
花火の方も佳境に入ってきたので、この目で花火を見ながら、三脚にセットしたカメラを手探りで適当なタイミングでシャッターを押して、2秒タイマーでシャッタースピード8秒。それからちょっと待ったらその設定のままシャッターをまた押すということを、花火から目を離さずに流れ作業で行って撮り続けた。
佳境に入ってくると、煙がどうしても邪魔にはなるが、目の前の景色は絶景であることには違いない。
カメラばかり覗いて、目の前で起きていることや景色をしっかりこの目で見ないのは大嫌いなので、視線は逸らさず、カメラの方は勘で押した。
欲張りなので両方を同時進行で行っていたが、最後のラストスパートの花火連発タイムではカメラを放ったらかしにして花火を全身で浴びた。
こんなに目の前で花火が上がるのは初めて見るかもしれない。
大阪の淀川花火と違っていろんな形や色のバラエティーに富んだ花火という訳では決してない。シンプルなTHE花火が続いたが、それがかえって良かった。
目の前でパーンと広がり、空で満開に咲いたら手前に降り注ぐように散る。
全身で花火を浴びるような臨場感が凄かった。
また、熊野の山々に囲まれた聖地での花火なので、山からの反響音が凄かった。
静まり返った山から、花火の音が返ってきて、それも全身で受け止めるような不思議な感覚。これは、写真には映らない美しさ。
たった15分とは思えない濃密な時間だった。
本当に見られて良かった。
この花火は3年ぶりの開催で、今年最後らしい。何とか続けられないものかなぁと身勝手に寂しく思う帰り道であった。
花火を上げてくださった地元の方々、ありがとうございました。
さて。
キャンプ場に戻って焚き火タイムへ。
火の中にアルミホイルで包んだいもを入れてしばらく待ち、今年もやきいも大成功の大勝利。
普通の食卓塩で食べる普通のさつまいもで作ったやきいも。
大変美味しゅうございました。
GRでの花火撮影に力尽きて、適当に撮ったiPhoneのやきいもの写真。
テーブルの上がごちゃごちゃだし、iPhoneの写真ではもう物足りなくなっている私。
GR。
気難しくてややこしくて付き合い辛い時もあるけど、本当にいいカメラだなと今夜改めて思ったし、息が合ってきた気がする。
コイツと世界多分一周旅に出るのがいよいよ楽しみになってきた。
明日は降水確率100%で曇ってきたため星空撮影は諦め、GRで撮った花火⑨の写真をiPhoneの壁紙にして、しばらくうっとりしながら眺めた後、いい気分で寝袋にくるまって眠った。
もうちょっと続く…
三脚は、ミニの手のひらサイズなのにかなり伸びるやつ。スマホも対応できるのでおすすめ。
GRちゃん