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THE ROOM NEXT DOOR ザ・ルーム・ネクスト・ドア  LA CHAMBRE D’À CÔTÉ

 アドモドバールにはいつもノックアウト!特に女性の気持ちや心理をわかってくれて、今回は私より年齢が少し上の女性たちの話だけれど、自分自身も年齢が十分上がってきていた今だからこそよくわかる、この状況と人間関係、バックグラウンド。自分自身で勝ち取った、自立しているの女性の友情といえば世間にはあると思うけれど、アドモドバールにかかると(脚本もアドモドバール)、かなり飛んでる話でも、人間関係の浅さと深さの微妙な機敏を感じ取ってくれる。且つ、底辺にはいつも!浪花節が流れている(フェリーニにも、スケール大きくカッコよくて粋で、必ず浪花節があるのを感じる。この心を揺さぶられる感が好き)。もうもう今回もアドモドバールにやられてしまった、「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」( The room next door   La habitacion de al lado   監督・脚本 :  ペドロ・アドモドバール スペイン映画 2024年 第81回ベネチア国際映画祭金獅子賞受賞)。

安楽死がテーマの女性の友情のお話。ずっと疎遠だった昔からの親しい友達同士の戦場ジャーナリストのマーサ(ティルダ・スウィントン)と小説家のイングリッド(ジュリアン・ムーア)が、人生最後の難問に取り組んでいく。画面全てに魂がこもっているし、女優陣の演技はさすがに素晴らしく、脚本もいいから、アドモドバールの色彩感覚の中で(アドモドバールの色がこれまた彼の映画を観たくなる大きな要素)、映画のお話の中にすっぽり入っていけた。

誰にでも人それぞれにドラマがあり、この映画がすんなり理解できた今、自分にも今までそれなりの歩みやミラクル、人間関係があったな、、と思えて、自分が大人になっていたのも改めて感じた。刺激的で圧巻な作品だった。


不調だった先月、、、家族の理解があり、ひとりで速攻、馴染みのパリに行ってしばし静養(友情も吸収させてもらって)。パリで観ようと思ったけれど、今回は好きな映画も美術館などにも行かず、ただひたすら静かに過ごして、オデオンの映画館に掲げられたポスターだけ、写真を撮ってきた
終映しないうちに東京で観てきた
映画行くにもエネルギーがいる、時もある

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