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もしも昭和な鉄工所が働き方改革をはじめてみたら
鉄工所の働き方って聞いて、どんなイメージをもちますか?
肉体労働、男の職場、休み少ない、給料安い…そんなところでしょうか。「製造業はオワコン」なんて言われている昨今、少なくとも労働環境の面でいいイメージを持つ人は少ないのではないかと思います。だから決めました。鉄工所の働き方をアップデートする。
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時代遅れの労働環境
こんにちは、株式会社乗富鉄工所の後継ぎ息子、乘冨賢蔵です。家業の乗富鉄工所は創業75年を迎える老舗の鉄工所。古き良き、といえば聞こえはいいですが私が入社した2017年の時点では、かなり時代遅れと言わざるを得ない労働環境でした。具体的には
・初任基本給 ¥190,000(大卒)、¥157,000(高卒)
・勤務時間は8:20~17:30 ☆ただし事務職は19:00までみなし残業
・年間休日110日
・住宅手当:なし
・出張時は2人部屋
・有給取得時には理由を申告する必要あり → 平均有給取得日数 9.5日
・・・とまあこんな感じ。IT業界や大手の求人を見慣れた方からみればお話にならない条件でしょうが、地方の中小企業では珍しくないのが実際のところです。近隣の工場の条件も似たり寄ったりではあったので「こういうものか」と思っていたのですが・・・
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まずは普通の会社になろう
2017年から2019年にかけて鉄工職人の集団離職がありました。詳しくはこちらのnoteに書きましたが、かなり深刻な状況でした。職人のベースアップや事業の整理を行い流出はストップしましたが、その後の採用活動で大苦戦。ものづくりの楽しさを訴えたところで、大企業と比較したときに条件面での差は歴然でした。
そこで、「まずは普通の労働条件を実現しよう」と心に決め、財務状況をにらみつつ3年かけてじわじわと労働条件の改善を行ってきました。「働くこととは云々…」という昭和的労働観が染みついていた当時の幹部を説得しつつ少しずつ変えてきましたが、2022年1月に私が副社長になったタイミングで一段ギアを上げることができました。
そして2022年5月時点の条件はこちら。
・初任基本給 ¥195,000(大卒)、¥165,000(高卒)
・勤務時間を1カ月ごとに選択可(例:7:00-16:00、8:00-17:00、9:00-18:00)
・事務職のみなし残業廃止
・年間休日116日
・住宅手当:賃貸家賃の2/3補助(上限3万/月)、持ち家ローンの補助1.5万/月
・出張時は1人部屋
・有給取得時に理由の申告は不要 → 平均有給取得日数 12.5日
ずいぶん改善されましたが今はこれが精一杯。もちろん今後も改善していくつもりですが、なにかが足りない・・・そんな気もしていました。
そんな時、Twitterで社員の誕生日にプレゼントを支給するとあるベンチャー企業の投稿を発見し衝撃を受けました。「なんて面白い会社なんだろう」と思うと同時に、気づきました。
乗富鉄工所の福利厚生に足りないのは”楽しさ”だ。
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楽しく働ける会社へ
「なにか面白い福利厚生ないかな?」
社員のひとりと雑談して生まれたのがノリノリ手当。年間2万円まで趣味に使える手当です。2022年1月に導入して以来とても好評で、クルマ・バイク用品、アウトドア用品、釣具、自転車、スポーツ用品、ゲーム機、おしゃれ着・・・本当にいろんなものに使われています。「何に使った?」という会話から同僚の知らない一面を垣間見れたりすることも増えました。
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ちなみに下の動画は後で撮りましたが実際にこんな感じで決まってます。
その後も、自社商品のキャンプギアが3割引で買えるキャンプギア社割、作った製品やカイゼンを褒め合うアプリ”みんなのクリエイティブ”の運用など社員との雑談から次々と新しい制度を導入しています。
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また、最近会社説明会に来てくれる方の7割が女性という状況をうけて2022年4月に女性用トイレ・更衣室の改修工事を実施したり、工場に遮熱塗料という特殊な塗装をすることで夏場の暑さを和らげる工事も実施しました。若手メタルクリエイターの要望により、今年の7月を目途に制服もかっこよくリニューアルする予定で、私自身も楽しみにしています。
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(いまのところ)条件面では大手企業やメガベンチャーには敵わない。だけど私たちは「どうしたら働くことがもっと楽しくなるだろう?」ということをいつも真剣に考えています。水門メーカーなのにプロダクトブランドを立ち上げたのも(もちろん戦略上の狙いはあるけれど)究極的にはその方が楽しそうだから。メタルクリエイターがいる鉄工所は、働き方だってクリエイトしちゃいます。
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働く人も関わる人も、みんながノリノリになる会社を目指して。乗富鉄工所はこれからも働き方改革を続けていきます。
お読みいただき、ありがとうございました!
PS.そんなわけで乗富鉄工所は一緒に働く仲間を募集中です。ご興味持ってくれた方、ぜひ一度工場見学にきてみてください↓