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甦りの地、熊野への旅~④ 阿須賀神社~神倉神社

熊野の旅も今日で終わり。

旅も三日目になると、歩き疲れと寝不足の蓄積でへろへろんになることが多いけれど、今回はそこまでひどくならなかった。

それでもシーツやタオル類がどうしても体質に合わず、まぶたが腫れて土偶っぽい顔(!)になってしまうのは、いつものことだから仕方ない。(ちなみにこの土偶現象はちょっとお高めの宿では出現しないという不思議)

むくみをとるためにも歩きたい。
前日夜に新宮の案内誌を眺めて気になった阿須賀あすか神社が、ホテルから徒歩10分ほどで行けそうなので、そちらを訪ねることにしました。

阿須賀神社という名前に惹かれる
参道入り口 社殿後ろの森は蓬莱山

住宅地に佇む阿須賀神社は、地域のお社という言葉がしっくりくる身近な雰囲気の神社ですが、社伝によると創建は紀元前423年だとか。

どこか速玉大社と似た雰囲気の、美しい社殿

神倉山に降り立った熊野の神さまは、次に阿須賀の森に遷ったという言い伝えがあり、阿須賀神社でも熊野三神が祀られています。朱色が美しい現在の社殿は、元々あった江戸時代のものが戦災により消失したため、昭和51年に復興されたのだそう。

また、徐福一行が上陸したのもこの地といわれ、境内には徐福の宮もありました。

こちらでは通常の御朱印と、神代文字の御朱印もあったのでそちらもいただきました。何かの模様が刷られた赤色の紙に、金色で神代文字が書かれており、私が選んだのは『和』を意味するものです。なんとなく見ていると落ち着くので、いつも目につく場所に置いてあります。

さて、阿須賀神社のお参りを終え、いよいよ・・・神倉かみくら神社へ向かいます!

神倉神社は、国道から狭い道を入った先にあり、午前10時過ぎでしたが駐車場はそれなりに車が停まっていました。

ついに来てしまった 神倉神社

この神社に関しては事前に多少情報を収集し、登るかどうかは当日の条件次第と決めていました。その条件とは、

  • 雨が降っていない

  • 体調に不安がない

  • 時間に余裕がある

この3つです。
うん、条件は見事にクリアしている。にも拘わらずなかなか行くぞ!とならないのは、不安だから…なんでしょうね。

ここから538段の石段が始まる

これを登るのか…大丈夫かな…
まだ迷う私を尻目に、「俺行くからね」とさっさと登り始める夫。
こうなったらもう行くしかない。覚悟を決めて私もあとに続きました。

蟹さんもお参りの途中?

源頼朝の寄進と伝わる自然石の石段は、大きさも角度も不揃いのため、一段ずつ足だけでなく手もつかって慎重に登ります。これはもはや登山ですね。

3分ほど登ったところで振り返ってみると、鳥居ははるか下。怖い、怖すぎる…少しでも重心が後ろにいけば転がり落ちそう。後ろを見たらだめだ、とにかく前へ進もう!

必死で登ること10分弱、急峻な石段が終わりようやく一息つける場所へでました。ここまで来れば、あともう少しです。

ここからは、なだらかな石段 苔が良い感じ

心拍数がおちついてから周囲を見渡してみると、力強く原始的な森が広がり、ピーンとした空気が漂っていました。

一言でいうなら、神秘的

夫とも、「なんか空気が違うね」と話しながら歩き、5分ほどでゴトビキ岩(熊野地方の方言でヒキガエルの意味)が見える場所へ到着しました。

社殿はなく、ゴトビキ岩がご神体

写真で見てはいたものの、実物を目の前にすると改めて圧倒される巨岩。どうして、こんな大きな岩がここにあるんだろう?と不思議でなりません。

ご神体前の階段では地元のボランティアと思われる方が、この岩と神武天皇のお話をされていました。神話がこんなに身近にあるっていいな。

新宮のまちは、はるか下

神倉山からエネルギーをいただいたところで、来た道を戻ります。
登りがあれば下りがある。人によってはむしろ下りの方が怖いかもしれません。

下がまったく見えない、この傾斜のすごさ

写真をとっていられるのはここまで。この先はそんな余裕もなく、ただひたすら足元に集中するのみ。もう少し足が長ければ…と思いながら横向き蟹さん歩きで慎重に下るわたしの横を、すたすたとハイスピードで下りていく女性。何者ですか?!

ハイスピードで下りるといえば、毎年2月6日に行われる神倉神社の御燈おとう祭り』では、2000人前後の男性たちが松明を手に、この石段を一気に駆け下りるそうですよ。信じられん…でも見てみたい。

新宮駅前のお燈祭り銅像 こどもも一緒に参加するそう

なにはともあれ、無事に下りることができました。

これで熊野の旅もいよいよ終わり。3日間お世話になったレンタカーを返却しJR新宮駅で特急南紀を待つあいだ、熊野詣の余韻にひたっていました。(とくに最後の神倉神社はすごかった!)

甦りの地、熊野
大きなエネルギーに背中を押されて、ここからどう甦っていくのか?
どんな自分になりたいのか?

次に訪れるときにはきっと答えが出ているんだろうな。
また歩き回れるように足腰鍛えて、楽しみにしていよう。

_おしまい_

**熊野の旅シリーズ**


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