マーケティングの概念を5W1Hの思考法で分解して考えてみた。
先の記事で
マーケティングの定義を改めて整理してみた中で、
企業活動のプロセス全てを通して戦略を考えるということがはっきりわかったのですが、
マーケティングにおいてはこのプロセスを以下に網羅的に整理するかが
まず重要かと考えましたので深掘っていきます。
単純に考えると、
“企業活動のプロセス”ですので、バリューチェーンの考え方などが一般的にわかりやすいと思うのですが、
今回はまったく別の軸でも考えて見れればと思い5W1Hの考え方でマーケティングを分解してみることとしました。
↓バリューチェーンの整理は以下です。
①マーケティング(企業活動プロセス)を準備とアクションに大きく2つに分ける
*準備とは製品やサービスが生まれるまでの0⇒100の過程【分析・アイデア出し⇒製造・サービス設計etc】
*アクションとは製品やサービスがエンドユーザーに届くまでの過程【販促施策、営業活動 etc】
➁準備を5Wの要素で分解、アクションをHow とする。
つまり
5W: 何を誰にいつどこでなぜ売るのか ⇒ アイデア出し・分析⇒製造/商品サービス設計
1H:どう売るのか ⇒ 具体的な販促施策,営業活動
として考えるといいのではないかということです。
今回は特に前半の【準備】にあたる部分を5Wで詳細に分解した場合どうやって考えることが出来るのかを今回は記載させていただきます。
5Wでニーズを探すフレームワーク
考え方としては
5Wのそれぞれの要素(誰に(誰が)何をどこでいつ何のために)をそれぞれの要素ごとにMECEで要素分解していく形で掘り下げていきます。
ざっくり以下のようなイメージです。
Whoの要素分解
Whoの部分ではユーザーセグメントをしますが、
以下の四項目の変数で分類することが可能です。
①ジオグラフィック変数
地理的変数とも言う。国、地域、人口密度、都市化の進展度、気候、文化、宗教、政策などの要素がある。
➁デモグラフィック変数
人口動態変数とも言う。年齢、性別、国籍、職業、所得水準、学歴、家族構成などの要素がある。
➂サイコグラフィック変数
心理的変数とも言う。ライフスタイル、社会的階層、価値観、購買動機、性格、好みなどの要素がある。
④行動変数
購買状況、購買プロセス、使用頻度、購買メリット、購買態度などの要素がある。
上記の4つの項目のどれかから考えると非常にわかりやすいです。
それぞれさらに深堀出来るのでまた別のnoteで深堀していきます。
Whatの要素分解
次に"何"を売るのか に関しては以下のように大きくは有形無形で分けることが出来ると思います。
製品/商品/サービスの詳細は無限に広がるのでここでは最も最初の大きく無形/有形の部分だけ記載させていただきます。
Whereの要素分解
where(どこで)に関しては
どの場面でと言い換えるのが良さそうですね
①オンラインかオフライン
サービスに関してはもちろんですが、ECの発展してきた現代では
モノ(有形商品)に関してもオンラインを考えることが必須となっています。
また次のステップとしてはO2O,OMOという概念を考えることが出来ますが、まずはオンライン、オフラインどこで売るのか、どこで展開するのかを考えることからスタートすればシンプルです。
また
➁地域 の要素も必要です。
オンラインはすべて繋がってますが、提供できるサービスの地域は限られることも多々あるので、国内or海外というだけでなく、どこの地域を対象にするのか という要素も考える必要があります。
Whenの要素分解
whenに関しては単純な時間軸(年月日時)で区切るのはもちろんですが
イベント時という目線で如何に場面を考えることが出来るのがとても重要になります。whereと同じく”場面”という言葉が分かりやすそうですね。
一言でタイミング/イベント時と言いましたが、イベントの種類の分類もかなりできそうですね。ここは別の機会で整理を考えていきます。
Whyの要素分解
5Wの最後に whyですが、最も重要だと個人的には考えています、
ただ同時に分解する中でwhyの要素分解は最も忘れがちなのではないかと考えました。
特に課題解決に軸を置いた商品/サービスを考えるパターンなどでは、
むしろwhyの部分からマーケティングの思考を始めることが必要かもしれません。
“なぜ”“何のために”その商品/サービスを生み出すのか を考えるという意味ですので、つまりニーズを考えるという意味になるかと思いますが、まず大切なのはニーズとは何か理解することです。
よくある整理の仕方ですが、改めて整理すると、
そもそも ニーズ(必要性)なのかウォンツ(欲求)なのかデマンド(需要)という概念を整理しておく必要があります。
ニーズ(必要性)とは、日常の生活や仕事の「現状」の様々な不満や欠乏が、「理想の状態」と比較したときのギャップです。
そしてウォンツ(欲求)とは、本質的ニーズを満たすための具体的な手段への欲求です
デマンド(需要)は、特定の具体的商品への購買能力と購買意思です。
ニーズ(必要性)は、マーケティング活動によって「ウォンツ(欲求)」に変化し、最終的には「デマンド(需要)」という形で購買につながります。
一言で整理すると、ニーズは「目的」、ウォンツは「手段」(デマンドはそのまま需要としてます。)とよく区別されます。
例えばマーケティングで有名な「ドリルと穴」を例にすると、
ニーズ:本をオシャレに整理したい⇒棚を作りたい⇒棚を作るために木材に穴を開ける必要性
ウォンツ:電動ドリルで穴を開けたい、穴の空いた木材が欲しい
デマンド:小型電動ドリル、組み立て棚セット
となります。
まずここまで整理したうえで、
ニーズとは何か、をさらに整理します。
ここではニーズは①潜在ニーズ/顕在ニーズ ➁機能的ニーズ/情緒的ニーズの2つの区分を説明させていただきます。
Whyの詳細①:潜在ニーズ/顕在ニーズ
潜在ニーズは、消費者自身にとって当たり前であり、問題を問題と思っていない場合があります。そのような場合には、マーケティング活動によって「顕在ニーズ」に引き上げることや、「デマンド」まで一気に導くなどの方法をとります。
マーケティング活動において最も重要な部分の1つとしてこの“潜在ニーズ”を“顕在ニーズ”に変えることが重要になると考えられています。
一般的なマーケティング活動として潜在ニーズをまず顕在ニーズとして明らかにし、それをウォンツに変換し、デマンド(需要)を満たす商品/サービスを生み出す という流れが一般的です。
上記の流れの中で、
特に潜在ニーズを顕在ニーズに変換する作業が最も難しいと思われます。
Whyの詳細➁:機能的ニーズ/情緒的ニーズ
またニーズの2つ目の分解として以下の機能的ニーズと情緒的ニーズでの分解が可能です。
こちらはアメリカの経営学者デビッド・アーカーが唱えた価値の3分類という考え方に基づいていています。
価値の3分類とは、価値には「機能的価値」「情緒的価値」「自己表現価値」の3つの種類があると述べています。
この”3つの価値を得ること”をそのままニーズとして当てはめると以下のような形で区分できるかと思います。
*一般的な区分と同様にここでは自己表現価値を情緒的価値の1部分として整理しておきます。
つまり①、➁に関して以下のように考えることが出来るので
組み合わせて考えていくと、ニーズを考える分解方法としてわかりやすいのではないでしょうか。
①潜在ニーズ/顕在ニーズ はニーズのありか (表出状況)
➁機能的ニーズ/情緒的ニーズはニーズの内容そのもの (価値区分)
⇓
潜在・顕在のどこにあるニーズで、その内容(得たい価値・ベネフィット)はどんな種類のニーズなのか ということを考えることが出来ればニーズを捉えることが出来る枠組みとなるのではないでしょうか。
結論
5Wの概念で整理してマーケティグの”準備”にあたる部分を考えることが出来ることが分かりました。
ただ今回、Why=needs という整理をしたため、
最も本質的なneedsを探す部分がwhyに集約されて少しバランスが悪いように思います。
スタートはNeedsから。
なぜ必要なのかという根本的考えをニーズの枠組みに合わせて思考し、
(誰が)、いつ、どこで、何を、誰に を考え、
どうやってアプローチするか*別途記述
を考えていくことで、
5W1Hの思考法でマーケティングを考えていけるように思います。
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