歌劇団に入ってうつ病になった話⑤
前回は、最下級生になってからのお話を書いてみました。
↓
第5回となる今回は、突如起こった異変について書いていこうと思います。
休みもほとんどなく、僅かな幸せを希望に走り続けていた日々だったのですが、終わりは急にやってきました。
お稽古場に行けなくなってしまったのです。
布団から出ようと思っても、身体が拒否をする
もう家を出ないといけないのに、全く動けず、時間だけが過ぎていく
この時期はちょうど公演が千秋楽を迎えたばかりで、お稽古期間にもまだ入っていない頃
自分の限界を感じ、何とか上手いこと言ってお休みさせていただくことに
1日休めばきっと良くなるだろう
そんな想いとは裏腹に、お稽古場に行けない日々が何日も続いてしまいました。
こうなってしまった理由も、なんとなく薄々気付いていました。
(具体的には書けませんが)ある出来事をきっかけに、自分が配属されているグループ内での関係が全く上手くいかなくなり、冷たい言葉を浴びせられる日々
このタイミングで理不尽なことが積み重なって起きたりして、正直精神的に疲弊していたこと。
何日かお休みをして頑張って1日行きましたが、
あ、もう私は無理だ
と思い、これが最後の日となりました。
もちろん、全員が全員そういう対応だった訳ではありません。
こういう状況になっても、変わらず声をかけて下さる上級生の方もいらっしゃいました。
ここで辞めてしまうのは勿体ない、心を無にしてでも頑張ろう、と思う自分もいましたが、想像以上に限界がきていて、離れざるを得ませんでした。
病院でもらった診断書を提出し、お休みをいただきましたが、それからまたいろいろあり、結局そのまま退団することになりました。
こうして、短くも濃い私の歌劇人生は幕を閉じたのです。
(⑥につづく)