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やんちゃ君と新米女教師との戦い。



初めて教員として勤務した学校は、いわゆる「荒れている学校」でした。
そんな学校の生徒と私の奮闘記を記録しておこうと思います。


まずは、何といっても教科指導です。
「学校は音楽の授業から荒れていく。」と言われることもあるようで、歌ったり、演奏したりと室内で活動することが多い音楽科の授業は、一歩間違えると崩壊します。


文字の通り。崩壊です。


パターン1
授業中に席を立つ。暴言。私語。
一生懸命歌っている姿をバカにし、笑う。

パターン2
無気力。やる気なし。歌わない。寝てる。
伴奏の音だけが虚しく響く・・・・


大体どちらかのパターンか、最悪ダブルパンチのときもあります。(;д;)辛い。


こうなると、授業が成り立たなくなり、見張りの先生が音楽室に張り付いている学校も少なくはない。そんな地域の学校でした。


私が勤めた時の生徒は、パターン1。
騒がしい。

でも私としては、パターン2よりはよかったなと思いました。

生徒は有り余るほどの元気とパワーだけはあったので、パワーの矛先さえ変えれば何とかなるかもしれない。といい意味で怖いもの知らずだったんですね。



前年度までたくさんの先生が見張りに立っていた音楽の授業。
幸いにも私が指導するようになり、1人で任せてもらえる状態になりました。


さまざまな手を打ちまくったので、何が効いたのかいまいちわからないんですが・・・・笑


その時に自分なりに気をつけていたことを一つずつ書きたいと思います。



(あくまでも個人の実践ですので、ふーーーん(´ . .̫ . `)という顔でお読みください。)



「こういう時には先生は強く指導します。」を具体的に提示。


一番最初の授業は勝負です。
私はいつもより、5倍ぐらいの威厳。声のトーンを下げてゆっくり話すことを意識して、授業のガイダンスを行います。特に最初の20分間程度は全力でなめられないように。意識です。

どんな生徒も最初の授業は先生を見定めています。そして試してきます。
その罠にひっかからないように。丁寧につぶしていく。


そのテンションの中で必ず、この時に先生は強く指導します。というポイントを提示します。

私がその時にあげていたポイントは3つです。


1    一生懸命頑張っている人をバカにする行為。



→「どんなに下手でも、できてなくても、一生懸命頑張る人は私は応援しますし、尊敬します。みんなが好きなスポーツ選手や、歌手、ダンサーは適当にパフォーマンスをしていますか。一生懸命=かっこいいと思いませんか。頑張らない俺。いけてる?の時代はもう古くないですか?音楽の授業は他の教科と違って、大きな声を出していい。音を鳴らしていい。表現する場がたくさんあります。ぜひあなたたちのパワーをここに使いませんか?そんな中、一生懸命頑張る人をバカにする人がいると、誰でも表現したくなくなります。なので許しません。歌っている時、演奏している時、発言している時にそのような行為があれば、活動を止めます。(本当に伴奏を止めていました。そうすると流石にやんちゃな生徒も気まずそうにします。)みんなにとって、ストレス発散!というぐらい楽しい授業にして行くために協力して欲しいです。」


実際に生徒が好きそうな、スポーツ選手やはやりのアーティストの映像などを流して
一生懸命=かっこいいという共通認識をつけさせました。



2     2回指導されても、同じことを繰り返す時。



→「人は誰でも失敗します。先生も失敗します。そいうときもある。人間ですから、その時の気分、コンディション、やる気が出ない日もあるでしょう。なので私は1発目から声を荒げて指導することはしないようにしたいと思います。授業を妨害する行為や、授業に参加しない行為。に対してもちろん声をかけますが1、2回目までは優しく声かけをします。そのときに、あ。やばいな。と思ってください。そして同じことを3回繰り返した時は、強く指導させてもらいます。流石に同じことを3回繰り返す。それは改善しようとする気がない。と捉えます。注意されたら。素直に、あ。すみません。気をつけます。と、少しでも頑張ろうとする姿勢に切り替えて欲しいと思います。私もあなたたちが楽しめるような授業を頑張って作っていこうと思うから、よろしくお願いします。」



3    危険な行為。



→「ここには40人の人たちが、この狭い音楽室で学習しています。一人一人、学校でお預かりしている大切な生徒です。暴れたり、席を立ったり、ふざけたりすると思わぬ事故につながることもあります。私はあなたたち全員の安全を守る立場なので、危険な行為と私が判断した時は、すぐに強く指導をします。」





シンプルにこの3点だけにしていました。


そして必ず、理由を話すようにしていました。


それはなんで?守ったらどんなメリットがあるのか。

あーーそれは流石に、まずいよね。という学級の共通認識を作ります。


これを最初の授業で話すこと。

まだ生徒から見定められている状態で。



「ここまで理解できた?オーケー??何か質問がある人?」と確認もします。


「それじゃあ、みんな理解したということで進めさせてもらいます。」


ここまで言って、「先生はこういう時に強く指導するんだな。」


という意識を植え付けるように意識しました。


そして必ずここはブレない。


必ず指導します。どんな生徒にも。




そうしていくと、

「あーーこれは先生怒るわ。あいつ怒られて当たり前や。」


「うん。これは先生が嫌がることやな。あいつ怒られてしゃーないわ。」


と、学級の大勢を味方につけることができるように思います。

やはり人数って大事なんですよね。そして雰囲気が大事。

どんなにやんちゃな子も人数と雰囲気にはのまれます。



そして最後10分で、ピーーーーンとした雰囲気を払拭するように面白い先生。面白い授業をします。



あ。なんか音楽の授業楽しそう。

この先生なんか変。面白そう。


と思わせたら


一山越えたーーーーーーー。となります。笑




この最初の授業が終わった後は多分300キロカロリーぐらい消費したな。というぐらいぐったりです。


でもこの最初の授業をしくじると、1年間苦しむことがわかるので最初の授業は倒れるくらい全力で挑むようにしています。







さて、今回はやんちゃな生徒を音楽の授業に巻き込むために私が気をつけていることを書きました。


まだまだ、奮闘記がありますので少しずつ書いていこうと思います。


長文お付き合いありがとうございました。

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