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指導力のある先生とない先生のたった1つの違いとは?

指導力のある先生と、指導力のない先生、あなたはどちらの先生になりたいですか?

指導力があるということは、教師として優れている、ということです。

指導力がつけば、子どもから信頼されるようになります。「この先生はわかりやすい」と言われます。

さらに、保護者からの信頼感も増大します。

苦情が減り、学力は伸び、結果的にみんなが幸せになるでしょう。

逆に、もし指導力がない場合は、どうなるでしょうか。

子どもからの不満が増え、けんかやいじめが怒ったり、保護者からの信頼を損ねます。先生自身も夜遅くまで残って保護者対応をしたり、管理職と相談したりすることになります。

結果として、みんなが不幸になります。

もし指導力をつけることでその未来を回避し、よりよい人生を歩めるのなら、コスパ最強ですよね?

とはいえ…。

指導力とはどのようにして身につけることができるのでしょうか。

その指導力を身につける方法を、このnoteに短くまとめました。

教師の皆さんは時間が全く、全く!足りていないことは十分承知です。

そんな中でもこのnoteを読もうとしてくれている勤勉なあなたの時間を無駄にしたくありません。

なので、指導力について端的に、短くまとめました。

是非参考にしていただき、明日からの指導の役に立てたらと思います。


指導力とは?

あなたの学校にいる、指導力が優れている先生と言われて、誰を思い浮かべますか?

そして、その先生はどんな先生ですか?


指導力とは、怖い顔をすることでもなく、子どもを恫喝することでもありません。

あの先生は怖い…と恐れられている先生が、指導力があるかというと、そうではありません。単に恐れられているだけです。

ですが、多くの場合、恐怖の感情でその場を収めることができるから、怖い先生が指導力がある、と勘違いされているように思われます。

でも、単に怖いだけの先生では、その指導力らしきものの効力はすぐに無くなります。子どもは、理不尽な先生に反旗を翻します。

低学年は、言うことを聞かない状態として現れます。

高学年は、表立って反抗してきたり、裏でコソコソ先生の悪口を言うようになります。

どちらも、学級崩壊への道です。

だから、怖いだけの先生は指導力があるわけではありません。


本当に指導力のある先生とは、「この先生の言うことはわかりやすい」と思われている先生です。

子どもがわかりやすい、と感じることのできる「伝え方」ができる教師が、指導力のある教師です。

つまり、教師における指導力とは、子どもが学ぶべき事柄を「伝える力」です。

では、教師の「伝える力」とはどんな要素で成り立っているのでしょうか。因数分解してみましょう。


伝える力

私が考える、教師が子どもに伝える力とは…

①聞く姿勢を作らせる力

②話をわかりやすく伝える力

③伝えたことが理解できているか確かめる力

この3つに因数分解できます。


①聞く姿勢を作らせる力

子どもがざわついている状態では、教師がいくらわかりやすい説明や指導をしても、無意味です。

なぜなら、子どもが聞いていないからです。

そこで、まず子どもに「指導を受ける姿勢や態度」を取らせることが必要です。

では、どのようにして「指導を受ける姿勢や態度」を取らせることができるでしょうか。

ここですべてを網羅することはできませんが、一例を挙げると…

・話をします、と断言し、聞く姿勢を整えるのを待つ。
・聞く姿勢を整えた子を褒めたり認めたりする。
・聞く姿勢を整えていない子を注意する。

スタンダードなところでは、このような方法です。

さらに…

・毅然とした態度で話を聞く姿勢を整えさせる。
・子どもが目を引く発言や提示物などを見せ、注目させる。
・静かになるまでの数を数える。
・音を出す。
・合言葉を決めておき、それを担任の先生が言ったら注目する約束を作る。

などなどがあります。

前述した、「毅然とした態度」というのが、冒頭で話しをした「怖い先生」が指導力があるように思われる理由かもしれません。

怖い先生は、自然と子どもたちに毅然とした態度をとって接しているから、子どもたちは話を聞く姿勢を作ることができるんですよね。

だから、指導の内容が精神論だったり抽象的な内容で分かりづらかったとしても、子どもが(怖いから)話をよく聞くので、結果的に指導内容が子どもに伝わる、という現象だと思っています。

さらに、注目するような提示物を見せるのは効果的です。

例えば、円柱を指導するときに、まずはじめに空き缶を教卓から出す。そして一言…この形に名前はあるのかな? とつぶやく。

それだけで、子どもは「先生、何をしているのだろう?」と目を引きます。

「先生が好きなコーラの缶なんだけど…これさぁ」と、人間味が感じられる導入だと、それで子どもは話を聞く姿勢を自然と取ることができます。

あとは、子どもが静かになるまでカウントダウンをする方法とかありますよね。ベタですが、効果的です。ただ、毎回それだと子どもが飽きてしまいます。

最後に、下策ですが、「音を出す」方法です。

以前、同僚のベテランのおばさん先生が、ざわついたら笛をビーッ!と鳴らして静かにさせていました。あれは…やめたほうがいいです。猛獣じゃないんだから。

とにかく、まず聞く姿勢を整えさせるのが重要です。

②話をわかりやすく伝える力

せっかく聞く姿勢を作っても、話が分かりづらかったらなんにもなりませんよね。

そこで、教師が最も腕を磨くべきところが、この「話をわかりやすく伝える力」です。

そもそも「わかりやすさ」とは?

わかりやすさとは、子どもの発達段階に応じた伝え方や言葉を選び、的確に伝えた結果、子どもが「理解した」と感じやすいかどうか、ということです。

まず、「発達段階に応じた」とは、子どもが何年生なのか? 理解力はどれほどなのか? などの理解が、話し手が理解できているかどうかです。

1年生に難しい熟語を話しても理解できません。

6年生には、赤ちゃんに話すように話すと、イライラさせて話す内容が頭に入ってこないです。

その学年に応じた伝え方や言葉を選ぶ必要があるのです。

スピード、話の抑揚、表情、わかりやすい言葉選びなど、気をつけるべきポイントはたくさんあります。

低学年にはゆっくりと抑揚をつけて話し、表情豊かに話すと子どもが引き込まれて話を集中して聞くことができます。

言葉選びは重要です。

ゆっくり話しながら、どんな言葉だと伝わるかを考えて話すといいでしょう。

高学年になると、少し早く話しても伝わります。表情は、ここぞというところで変化させ、普段は平坦でもいいでしょう。話の抑揚も同じで、本当に大切な部分のときに、大げさにつければいいです。

言葉選びは、概念的な言葉や抽象度の高い言葉を選んでも伝わるかもしれませんが、具体的にはこういうことだ、というように解説をしてあげると、子どもの知識として定着します。

ときには、感情を込めて話すのも効果的です。いつでも感情を乗せると聞くほうが疲れてしまいますが、大切な指導のときにはスパイスとして入れましょう。

ベテランの先生は、怒り以外の感情をうまく使います。

「先生嬉しい!」
「先生悲しい…」
「先生、がっかりだよ…」

こんな言葉を使って伝えると、伝わるメッセージに幅が出ますよ。

話す順番

多くの先生が意識できていないと感じてしまうことがあります。それが、「話す順番」についてです。

これについては、以前別の記事でも紹介しました。

この記事は有料ですが、話し方の順序について詳しく解説されているので是非ご参考ください。

いや、有料は嫌だ! という方向けに、概要のみここでお伝えします。

多くの方は、このように伝えます。

WHAT⇛HOW⇛WHY

・今からことわざについて学びます(WHAT)。

・ことわざの意味を教科書や辞書で調べます(HOW)。

・ことわざを知ることで、先人の知恵を学び、生活に活かすことができます(WHY)。

この伝え方では、子どものやる気は起きませんし、そもそも「めんどくさい」が先に来てしまいます。

そうではなく、逆に伝えるのです。

WHY⇛HOW⇛WHAT

・先人の知恵を学ぶことで、私達の生活はより豊かになります(WHY)。

・教科書や辞書に、先人の知恵が書いてあります。それを調べます。(HOW)。

・先人の知恵を短い文章にまとめたものを、ことわざといいます(WHAT)。


この伝え方だと、子どもの学びのスタートが「WHY」からになります。なぜ学ぶのか、どんなメリットがあるのか。それを示すこと。

つまるところ、企業で行われているプレゼンテーションの構成ですよね(たぶん)。

本当は、この3つの構成の他に、最後にもう一つ付けると効果が倍増する事柄があります。もし知りたい方は、以下の記事をご参照ください。

他にも、様々な「わかりやすく伝える方法」があります。

・黒板に図解する

・指示を板書する

・紙芝居を作る

などなど・・・枚挙にいとまがありませんね。

工夫次第で色々な方法があります。

③伝えたことが理解できているか確かめる力

話を聞く姿勢を作らせ、発達段階に応じた言葉遣いで話し、そして話す順番を考える。

これだけで「話し方」としては十分すぎるほどですが、実はこの視点が抜けてしまうと大変な事が起こります。

「せっかく指導したのに、子どもたちは何もわかっていなかった!」

活動が進んでしばらくしたときに気づく。そのときにはもう遅い…。

そうならないために、「子どもがわかっているかを確認すること」が重要です。

指導力のある先生は、一方的に伝えて満足するのではなく、「自分の説明や指示で、子どもが活動できているか」に注目します。

冷静に考えれば当然のことで、教育の目的は子ども自身の学びにあります。ならば、伝えるだけ伝えて後は放っておくのは片手落ちです。

指示をした後は、様々な方法で子どもが「理解できているか」を確認しましょう。

・指示した内容を子どもに説明させる
・全員でやることや教わったことを言う
・机間指導をこまめに行い、個別に指導する
・全体の活動を一度止めて、再度確認する

このあたりの方法を使って、指示を徹底し、確実な学びを保証しましょう。


指導力がある先生とない先生のたった1つの違いとは、「伝える力」があるかどうかである

繰り返しになりますが、威圧は指導力ではありません。

子どもが理解できるように、様々な方法で伝える工夫をすることで、あなたの指導力がぐんぐんアップするでしょう。

ぜひこの記事が若手のあなたのお役に立てたらと思っています。


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