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あなたには期待していたのに…という残酷な言葉
子どもを信じること。「どうせできない」ではなく、「あなたならきっとできる」と信じること。
信じることは裏切られること。
期待していることと、相手ができることには差がある。
だから、「できる!」と思っていても、その期待はたいてい叶わない。
それを「裏切られる」と表現することが多い。
でも…
「裏切られる」という表現は、どうしても他責思考の匂いがする。
私が信じたのに、あなたがその信じたことを一方的に裏切った!という…相手を責める気持ちから出た言葉のように思える。
でも大抵の場合は、わざと裏切るわけではなく、頑張ったけど結果的に裏切る形になる、という感じ。
それに、期待することって一方的にすることなんだから、その一方的な期待に対して「裏切られた」というのは、本来おかしくって、「裏切られて当然」なのだ。
あなたの期待に、他人が答える道理はない。
だから期待は一方的なものだから、その結果あなたの期待が裏切られたとしても、その結果を受け止めなければならない。
決して「期待を裏切られた」なんて、相手に伝えてはいけないのだ。
子どもに対する期待
教師は、子どもに期待をする。
その期待は、「きっとできる」と相手を信じてするもの。
ならば、その結果が期待に添う形にならなくても、受け止めなければならない。
先生の中には、「期待することに教育効果がある」と考える人がいる。
確かに、教育効果はある。
期待されると、頑張る。奮起する。
期待に答えようと頑張ることは、とてもいいことのように思える。
でも、その期待に押しつぶされる人もいるのだ。
だから、「期待しているよ」と伝えるときには、ここ一番の勝負のときでしかダメだ。
相手の状況や性格にもよる。
普段の生活の中では、期待を込めて指導し、期待に添う結果を子どもが出さなくても、そのまま飲み込んで次の手を考える。
これが、私が考える「期待」です。
期待するのはあなたの一方的な考え。
その期待は、相手を奮起させもするし、相手を萎縮させもする。
だから、期待は密かにするもの。
期待することはダメではない
期待しないということは、「どうせやっても無駄だ」と考えること。
どうせ期待してない。そんな気持ちで子どもと向き合えるはずがない。
教師や親の気持ちは、子どもによく伝わります。
私が好きな、イギリスのことわざがあります。
馬を水辺につれていけても、水を飲ませることはできない。(You can take a horse to the water, but you can’t make him drink.)
馬を水辺に連れていけても、その水を飲むかどうかは馬次第。だから、教師が学習する環境を整え、促すことまではできるかもしれません。
でも、その学習に取り組んだり、学習内容を習得することができるかどうかは、子ども次第なんです。
教室には、手のかかる子もいれば、詳しく教えなくてもすっとできる子もいます。
言われた指示に従うことができる子もいれば、1つひとつ確認しないとできない子もいます。
できないことが多いと、どうしても「言っても無駄かな」「これは難しすぎるな」と考えがちです。
素行が悪い子がいたら、「どうせ注意しても無駄かな」となりがち。
でも私達は教育をする立場の人間として、諦めてはいけないんです。
馬は水辺で水を飲むかはわからない。
でも、人間は言葉を理解することができます。
感情を感じることもできます。
だから、私達教師が諦めることなく、「水を飲めば体が元気になるよ」と訴え続けることはできる。
それが、教育なんだと思う。
できないことをはじめから諦めてはいけない。
できることをなぞるだけなのは教育じゃない。
できないからこそ、やり方を教え、環境を整える。そして後は、励まし続ける。やり方は何度も教えて、環境はより良くなるよう改善し続ける。
期待するからこそ、諦めずに教え続けることができる
失望することもあるでしょう。
教師なんて無力なものだから、「わたしは全然だめだなぁ」って思うこともあるでしょう。
そんなもんです。
でも、期待するからこそ、子どもを信じているからこそ、私達教師は子どもを教えることができるんです。
1回でできなくてもいいじゃないか。
何度も教えれば。
しつこいくらい同じこと言ってもいいじゃないか。
教師は、教えることが仕事じゃない。
できるようにすること。
そのために勇気づけること。
だから、期待を込めて何度も教えよう。そのうえで、失望しながらも次の手を考えよう。
できたら、喜ぼう!
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