子どもが困難に直面した時、手助けすべきか
ヘリコプターペアレントという言葉があります。子どもが困ったときに上空を廻るヘリコプターがすぐに降りてきて、子どもに手助けをする親のことです。
子どもに対して過度に手助けをしてしまう気持ちはよくわかります。
でも、親が子どもをあらゆる困難から守ろうとした結果、子どもは苦難を通して成長し、復元力を獲得する機会を失ってしまいます。
私が以前受け持った子もそうでした。親が過保護で、ちょっとでも学校で子どもが嫌な目にあったら学校を休ませていました。
そして私との長電話や家庭訪問、学校での面談などを長時間にわたり行うことになったのです。
私は親と話す中で、「問題なのは打たれ弱い子どもじゃないぞ…」と思うようになりました。
その親は教育熱心なのですが、子どもに対して過度に反応し、先回りして行動してしまう人でした。
私も親ですから、その気持ちはよくわかります。
うちの娘が小学校に1人で初登校をするときなんかは、後ろからこっそりついていって、ちゃんと学校まで行けるか見守りにいったものです。傍目からはストーカーでしたよ(笑)。
でも、親が過干渉すると、子どもが困難を跳ね返して成長する機会を失ってしまうのです。
蛹
蛹は蝶になる前に、蛹の硬い皮を何時間もかけて破ります。
蛹の皮を破り始めた蝶は、もがきながら少しずつ蝶として出てこようとします。
体に蛹の皮がたくさん張り付いていて、とっても苦しそうです。
それを観たある子がいいました。
「先生、ちょうちょを外に出してあげてほしい」
でも、私は言いました。
「もしちょうちょを外に出す手助けをしてしまったら、ちょうちょは自分で空を飛ぶ力が身につかないまま、死んでしまうんだよ」
ちょうちょは蛹の硬い皮から出ようとすることで、空を飛ぶことのできる強い羽を作ります。自分で苦しみながらも出てこないと、生きていく力を身につけることができないのです。
だから、教師や親として、子どもへの手助けは何でもかんでもしてあげればいいわけではないと考えます。
必要な支援はしますが、問題を親が全部解決してあげてはいけないのです。
子どもが苦しんでいる。それを目の当たりにすると、どうしても手助けをしたくなります。
でも、それをしてしまうと子どもが自分の力で空を飛ぶことができなくなってしまいます。
だから教師である私達は、子どもを勇気づけ、励まし、子ども自身が問題を解決できるよう導く必要があるのです。
うーん、自分で言っていて難しい! 難しいぞー!
巨人の星でいう、星飛雄馬のお姉ちゃんの気分ですね。
星飛雄馬が苦しんでいるのを目の当たりにして、本当は助けてあげたいけど、強くなるためにはそれができない。だから、遠くで見守るしかない。
そんなお姉ちゃんの気分です(すみません、巨人の星みたことないです)。
死の言葉を使わないように
子どもが成長できるように、叱咤激励をしたり、厳しいフィードバックをしたりすることってあると思うです。
ですが、最近の科学では、厳しい言葉を投げかけられると、成長するどころか、意図する結果とは正反対の結果が出てしまうことがわかってきました。
そういう厳しい言葉がけを、「死の言葉」といいます。
死の言葉を使うと、「ネガティビティ・バイアス」に働きかけてしまうらしいです。
そうではなく、アフォメーションを適切な言葉で行うことで、脳から幸福感の増大やパフォーマンスの向上につながる神経伝達物質を放出するようになります。
結果的に「内発的動機づけ」で行動するようになる。
7つの習慣でいうところの、「インサイド・アウト」ですね。
今回はこのあたりの話は割愛しますが、もしネガティビティバイアスの話や、適切なアフォメーションに興味がある方は、スキ!か、コメントをくださいませ。
続編として、詳しく解説させていただきます。
子どもの可能性を広げるためには、ときに黙って見守るべし! 現場からは以上です!
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