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挙手をよくする子は学習に主体的に関わっているか?
クラスで、いつも同じ子が発言するってことは、ありませんか?
教師の理想としては、発問や問いかけに対して10人以上が、「はいはい!」と挙手してくれる。そんな状態ですかね?
挙手が多いと、なんとなく「いい授業しているなー」と自己満足に浸ることができますが、挙手が多いことと良い授業をしていることって関係があるのでしょうか。
実は、ないんです。
挙手が多い=学習意欲が高い
とはならないんです。
挙手を良くする子は、学習意欲が高いから挙手しているわけではない
なぜ子どもが挙手発言をするのか。
その理由は様々です。
・問いに対する答えがわかっているから
・目立ちたいから
・みんなが手を挙げているから
・挙手したほうが成績が良くなるから
・問いに対して好奇心や関心が向けられたから
…さて、この中で、「学習に対して主体的に関わろうとしている子」はどれでしょうか?
はっきり言って、よくわからないですよね。
なんとなく、「問いに対して好奇心や関心が向けられたから」というのは主体的とも取れますが、まだ「受け身」な部分が多い。
ただ、少なくとも
問いに対する答えはわからないが、こうじゃないかと考えをもち、それをクラスで共有したいと思って手を挙げる子
こういう子は、主体性を発揮しています。
与えられた課題に対して、少しでもその解決に近づくためになされた行動は、主体的に関わろうとする態度です。
でも、わかっている問題に対しては主体的であろうとし、わからない問題に対しては消極的な態度を取る子に関しては、主体的に関わろうとしているとは言い難いところがあります。
当然、主体的かどうかはその子の他の様子も観察しながら総合的に判断しますが、少なくとも「できないことやわからないことに直面した時、その問題を解決するために行動できる子」は主体的です。
授業中は黙っていますが、ノートには自分の考えがびっしりと書かれている子のほうが、授業中発言するけど自己顕示欲のためだけの子より、評価が高くなります。
3つの目
教育には、3つの目を持つ必要がある、と言われています。
「虫の目」「鳥の目」「魚の目」です。
虫の目は、「細部を見る目」です。
狭い範囲でじっくりと見る、ミクロの視点です。
表面的な挙手発言だけではなく、ノートやつぶやき、視線や友達との話し合いなど、その子が学習に対してどういう向き合い方をしているかを、くまなく様々な視点で見ることです。
鳥の目は、「全体を見る目」です。
高い視点から、全体を俯瞰的に見渡す目です。マクロの視点です。
1単位時間の時間だけではなく、教科全般や学校生活全般を通してその子を見取ることです。
魚の目は、「流れを見る目」です。
その子がこれから先、どんな人生を歩んでいくのかを想像し、将来のために今何が必要なのかを見極めることです。
1つの発問に対する反応をじっくりと観つつ、その教科全般での主体性や活動意欲をみて、さらに将来のために意欲付けを行っていく。
そんなふうに子どもを評価できたらいいなって思います(感想か!)。
ここまで偉そうに言ってきましたが、言うほど簡単じゃないと思うんですよね。
なのでまずは、虫の目を使って、「発言が多いけど、本当にこの子はこの学習に主体的に取り組んでいるのか」ということや、「この子は全く発言しないけど、ノートには何を書いているのかな」ということを見てほしいと思います。
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