
どんなことに反応するかで、その子の行動が決まる
学校にはいろいろな子が集まります。中には、やんちゃをしたり悪さをする子もいます。
私も初任校がいわゆる「生徒指導困難校」と言われていました。確かに、今までいろいろな学校に赴任しましたが、しんどさはピカイチでした。
生徒指導困難校は、学力が低い、学習態度が悪い、などの理由で、教員の指導が困難な学校のことです。
一般的には高校を指すのですが、一部の小学校や中学校でも同様の問題が起こっているようです。
そんな学校のクラスには、必ず1人は「いたずら好き」で「人を困らせる」子がいます。そんな子への対処の方法を、今日はシェアしたいと思います。
対処の方法
…まず、方法と書きましたが、厳密にいうと方法ではなく「把握」の問題です。問題行動ばかり起こす子がそもそもどんな子なのか、という「把握」が大切です。
例えば、休み時間になるとクラスメイトのところにいき、ちょっかいを出す子がいるとします。殴るフリをしたり、カンチョーをして逃げて挑発したり。教室を走り回って他の子にぶつかったり、ものを投げたりします。
そういう子に対して、教師はどのように指導するでしょうか。
ちょっと考えてみてください…。
まず、もっとも基本的な理解として、「人に迷惑をかけることをしてはいけない」ということがあります。
その子は、殴りかかったりものを投げたり、走り回ったりすることで人に魅惑をかけてしまいますよね。
だから、やっている行動は良くない行動です。
当たり前の話だと思いますが、一応抑えておきます。
その問題行動、やめさせたいですよね?
そんなとき、私は…
「やめなさい!」と言います。
え、当たり前じゃないか…そうです、良くない行動は即ストップ。これは基本です。ただ、その後が重要です。
「どうしてその子は問題行動をするのだろう」と考えましょう。そこでいかにその子を理解するかで、その後の教師の行動が変わります。
例えば、「単に性格が悪くて、人に悪さをして楽しんでいる。善悪の判断がつかないし、自分で気持ちや行動をコントロールすることが難しい子」と「把握」したとします。
すると、そこから出てくる指導は、「悪いことはするな!」という通り一遍等な指導しかありませんよね。
つまり、悪いことをする子、という理解になります。そうなると、その子は「先生は俺のことを悪い子だと思っている。そう思っているなら、もっと悪いことをしよう。」と考えるんですよね。
つまり、「教師が把握したその姿に、子ども自らが近づこうとする現象」が起こるわけです。
子ども自身のセルフイメージが「悪い子」となってしまっている。ここが問題です。
そうなると、反社会的な行動はエスカレートします。なぜなら、悪さをすればするほど、先生は自分のことをかまってくれるからです。
かまってもらえると退屈はしのげるし、注目される快感も得られる。だから、悪さをするんです。
逆に、「この子はかまってほしくて悪さをするんだ。なんとかしてあげたいな。」と考えると、「悪い子」としてその子をみるのではなく、「助けを求めている子」として見えてくるはずです。そうなると、教師がどんな手を打てばいいか、見つかると思うですよね。
その子の「問題行動」にばかり反応するとどうなるか?
問題行動に教師が反応すると、より強固にその行動をしようとします。「反抗挑戦性障害」という2次障害に近い状態になっているわけです。
そうなるとやっかいで、なかなか注意や厳しい指導をしても、行動は変容しません。
先生が「問題行動ばかりする悪い子」という「把握」をして、その問題行動をなんとかしようと、問題行動に「注目」して、指導を強化する。
結果として、子どもは「悪いと自覚して問題行動をする」という状態になってしまうんです。
先生が反応した部分が強化されるわけです。
本当の対処の方法
では、本当はどうするのか。
それは、「問題行動をしていない状況でその子を認める言葉がけをする」です。
ポイントは、「なんでもない状況でかまう」ということ。
なぜなら、今までその子は問題行動をしていたからかまってもらえる、と思っていたからです。問題行動をせずとも、先生は僕のことに関心がある、と思ってもらわないことには、問題行動はなくなりません。
だから、何も問題を起こしていない時間にこそ、その子に寄り添い、認め、絆を深めるチャンスと捉えましょう。
どうしても教師は、問題行動を起こしている子がおとなしくしているときには、他のいつもちゃんと頑張っている子に目が行きがちです。
それは当然のことですが、そうしてしまうと、問題行動を起こして目を引こうとします。
その負の連鎖を壊さないと、行動の改善が見込めない以上、問題行動を起こしていない、本当の彼の姿に注目し、興味をもち、認めることが必要なんです。
教師の反応が最も教育効果が高い
これは私自身も戒めなければならないと思っているのですが、子どもが「先生、〇〇したよ」とか、「先生、◯◯に気づいた」などと言っているときには、大げさなくらいのリアクションが好ましいです。
なぜなら、「子どもの自発的な行動を認めたいから」なんです。
だから、いいことをしてくれたときには大いに喜び、通常通り落ち着いて行動できたら大げさに褒め、問題行動を起こさず座っていたら嬉しいとメッセージを送る。そんな「承認・称賛」の連続が、最も教育効果が高いと考えます。
逆に、子ども主体の発信において、教師が「ふーん、あっそう」というそっけない感じのリアクションだったら…子どもは何も発信したくなくなりますよね。
だから、そういう意味ではおどけたピエロを演じる必要もあるかもしれません。でもそれでいいと考えます。そこに教師の「プロ意識」があるんじゃないかなって思います。
問題行動を起こしたことに対して強烈に反応すると、ときにマイナスの効果がある。しかも強力な教育効果があるので、間違って「問題行動をしたらかまってくれる」なんて思われるかもしれません。
どんなことに反応するか。
おすすめは、
「教師が期待する姿に反応する」ということです。
こうなってほしい、という教師の思いを、子どもたちは敏感に感じ取ります。そして、そうあろうとがんばります。そういうときにこそ、大いに認め、称賛しましょう。
どんなときに反応するかは、難しい問題ではありますが、是非明日の教育活動に生かしてもらえたらと考えています。
現場からは以上です!
ツイッターやっています。フォローをお願いします!
#教育 #子育て #学級経営 #荒れるクラス #小学校 #小学校の先生 #小学校の先生と繋がりたい #先生 #教師 #教員 #研究 #教育技術 #マインドセット #アフォメーション #クラス経営
いいなと思ったら応援しよう!
