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やっぱり梅干し

梅干しを親に送ったところ、
とても良い梅干しだという。

今回は八助梅という
青森の梅だったが、
食べやすかったらしい。


親だと決してお世辞がないから、
良い感じか今ひとつか、
はっきりしていていい。

私は朝は梅干しに始まり、寝る前は
梅干しで終わる生活を続けている。


梅干しを水から煮る。
朝一、夜のひととき、必ずいただきます。
目覚めよく、またよく寝れます。

単に梅干しが、好きなわけだけど、
ただ梅干しには色々と
助られていると本気で思っている。

梅干しは何かと
体調を整えてくれる。

暑くても、寒くても
結構重宝するのは梅干しです。

毎年梅干しを作るのは
昔ながらの梅干しなので、
辛い。

人によく思われよう、
食べやすい梅干しにしよう、として
梅干しを作る気はない。たぶん、必要のないこと。

直射日光を
しっかり当て、夜も干す。

日中には梅酢に戻してつける。

以前にも書いたけど、
梅干しの三日三晩というのは、
初めは日中に3日干し、
夜は梅酢につける。

残りの3日はその逆、つまり夜に梅を干し、
日中は梅酢につける。

要は梅干しを
干しっぱなしにしない。

今は昔のやり方は少なくなり、
干しっぱなしが多いと思う。

昔は塩分は30%だそうだけど、
20パーセントでもできるそうです。

世間では減塩梅干しとは言えないだろうけど、昔のやり方で言えば、
私がしているのは減塩梅干しになる。

時々、松本 紘斉さんの本を読み直しますが、
あらためて梅の良さを
再度確認できます。

日本人には梅干しが必要、と
改めて思う。


梅干しは基本的に数年は寝かす。

その方がまろやかで食べやすく、
梅干しの薬効も随分と変わるらしい。

梅は青梅の時は、外の実の部分に貴重な成分があり、
梅が熟すと今度は種に貴重な栄養分が移っていく。

そのため、青梅は意外にも虫食いになりにくい。

またごく微量の青酸があるという。

青梅をそのまま生で大量に口にすると、
お腹を壊したり中毒になることがある。

熟すまでは鳥や昆虫にもやられにくいそうだけど、
割と理にかなった植物だと思う。

梅肉エキスを作るのは、
まだまだ硬い青梅を使うのも、
これだとわかりやすいし、納得する。

梅肉エキスは青梅を手ですりおろし、
搾り汁を布で絞り、弱火でかき混ぜながら煮詰めて作る。

1キロの青梅をすりおろして、
約30g程度のエキスができますが、

これは梅を早めに調達して、
やるといいと思う。

毎年欠かさず作っていて、
今年は梅が少なく、作るタイミングを逃してしまった。

そんなわけで、梅干しは作っていたわけですが、
八助梅が意外にも食べやすかった理由を
振り返ってみました。

理由はたった一つ、
梅干しをつけるときによく熟していたからです。


黄色く熟せば、甘みが出る。


青森からの配送だと、
翌日にはつかない。猛暑の時期と重なり、(八助梅は7/10前後の収穫、発送でした。)配送途中で熟し過ぎてしまった。

本当はクール便にするべきなんですが、
私はうっかりしており、
また相手方も気にせず常温発送でした。

農薬も使わないで、おそらく八助梅だろう、というゆるい方だったので致し方ないけど、まぁ梅はいい梅でした。

今回のは非常に小さいものが多い八助梅でした。
八助梅は種に特徴があり、種がスルッととれる。

青森というなら、
ほぼ間違いない、あるいは少なくとも
八助梅に近い品種のはずです。

自然に品種が混ざる、というなら、
それもいいと思う。


サイズバラバラで、傷も斑点も多い。
梅干しづくりの梅は、選別はかなり甘くていけます。このくらいの傷などでは、
塩漬けでほぼ問題なくできます。
家の南高梅。自家製の梅は斑点が多いけど、
気にしなくて大丈夫です。
あとでいい梅干しができます。
大きさはバラバラ。


八助梅はひと昔前は、
個人では入手は簡単ではなく、業者間主流でした。

親しい八百屋さん経由で随分前に手にしたけど、
とにかく大きいものです。

南高梅の3L以上にずっと大きく、
ゴルフボールより一回り大きいものもあったくらい、
とにかく大きい。

アンズとの交配できた品種で、
熟したものを口にしても、
アンズのような梅。
熟しても、そうおいしいとも言えない

ただ梅干しにはとてもよく、
変わった梅干しができる。

とにかく大きく、味もいい。


八助梅は、種がするっと取れる。
熟しすぎたものは、潰れやすいのが難点。
これはまだ天日干しの最中なので、色は薄めです。


さて、八助梅の梅干しが意外にも食べやすかった、
というのは熟しすぎていたことが理由のひとつ。

ちょっと黄色みが出始めていたのが
どうだろうかと思っていました。

ただそれでも、昔ながらの梅干し作りと
照らし合わせれば、
きっと日中の梅酢つける行程が
一役買っていたと思う。


要は夜は梅酢に漬けて日中干す、を
後半に繰り返すと、梅酢は減る


日中の梅酢は壺に入っており、
梅酢は結構な高温、熱湯に近い温度になっていた。


梅酢が熱湯に近い感じになり、
梅酢は濃厚。
色は真っ赤に変化。
熟した八助梅は、崩れやすい。
でも、味はなかなかのもの。

梅酢の中の梅は、
弱火で梅干しずっと煮詰めていたとも
言える。

するとどうなるか、というと、
まず梅干しの皮が柔らかくなる。

熟しすぎた八助梅はもしかしたら、
多少の糖分が出てきたのかもしれない。

煮詰めて、自然の甘さが混ざった。

出来上がった梅干しは、
塩分はたっぷりだけど、
柔らかくて食べやすい。

結果的に昔ながらの三日三晩の干し方で、
食べやすい八助梅の梅干しになったと思う。

最高に良いものかはわからない。

ただ、梅干しが苦手な人でも食べられる、
昔ながらの梅干しになった、とも言える。

これは兄には食べてもらいたい、と思った。
というのは、塩と紫蘇でつけた良い梅干しが苦手だからです。

ふるさと納税か何か知らないけど、
調味梅干しを買っているというので、
なんとかならないか、と思ったことがある。

調味梅干しは、塩漬けした梅を天日で干す。
その後に梅干しを水に晒し、塩分を抜く。

そして調味料を多々入れて、食べやすくしたもの。

はっきり言って、製造過程で梅の貴重な成分は流れてしまい、
また減塩ゆえ、常温保存も効かない。

それに殺菌の効果も減っている。
その他、梅干しの貴重な有機酸を含めて、成分がほぼない、あるいはあってもわずかでしかない。


要は調味梅干しで健康や梅の貴重なものは期待できない、
とも言える。

それなら、完璧とは言えないかもしれないけど、今回のような、
食べやすい八助梅干し。原料は梅、塩、赤しそのみ。

三日三晩の昔ながらの伝統的な作り方でできたもの。

ちょっと熟しすぎて食べやすい八助梅干しだと、
けっこう良いのではないだろうか、
と思いました。

さすがに梅干しの種を割って、
中の仁(杏仁豆腐の原料のような味)は食べないだろうけど、
良い梅干しであることは間違いない。

いくら梅干しが体の良い、と説明しても
食べなければ意味がない。

色々と周りを見ても、
梅干しを毎年欠かさず作り、毎日食べる、
というのは少数派だと思う。

ちなみに梅干しは、たとえ塩分があろうと5、
8年すればとても食べやすくなる。

塩の熟成でまろやかになるからだそうだけど、
結構いいものです。

梅干しは、少し緩んだ気持ち、
誤った食生活を一瞬、引き締めてくれる。

強烈な塩味で、一度、目を覚まさせてくれるかのよう。


1000年を超える伝統があり、身近な食べ物です。
となると、作り方は守っていきたいし、
梅干しとともに生きているとも言えます。

ご飯に梅干し、そして、糠漬け、
季節の野菜、
お味噌汁、納豆、地味なようで、
結構いい料理に思えてきます。

やっぱり、梅干しを煮出して白湯のようにして飲むと
朝はいい感じで始まる。

夜も、なにかホッとするのも、
梅干しがあってこそ。


梅酢を干す。結構酸っぱく、梅肉エキスに近い味になっている。
梅干し、ごはん、季節の野菜(今実っている野菜)、あとはお漬物でもあれば、
地味なようで、美味しいごはんです。

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