手ごねで粉を知る
ライ麦粉、小麦粉と一言で言っても、
種類は多い。
レビューを参考にしてみても、
その通りとは限らない。
一番確実だと思ったのは、
実際に手で触れて使ってみること。
自分で試すしかない。
そうすれば、
製粉会社による粉の違いが
肌感覚でわかってきます。
ただし、ある程度の量が必要です。
趣味は、ライ麦粉を握りしめること、
とまでいけたらまずはいいと思います。
偉そうには言えませんが、
たくさん手で触れると、
何かわかってきます。
手に脳があるのか、
感覚なのか、
うまくは説明できないのですが、
良い粉(自分が好きになれる粉)かどうかは、
実際に手で触れるとわかってきます。
良いと思った会社の社風や
経営理念をみると、
不思議と粉にも現れていることに気がつくこともあります。
(おそらく、粉に限らず、他の製品にも当てはまることかもしれません。)
あるところでは、粉の使いやすさを重視、
またあるところでは、
仕上がり具合を重視しています。
ただ気をつけないといけないのは、
仕上がりの良さ=美味しくて良いパン、
ではありません。
とあるハード系パンの小麦粉は、国産で人気もある。
使いやすい上、焼いたらいい感じで空洞があく。
パンの教室でもよく使われているらしい。
とても良さそうな感じです。
しかし、以前自分で試しに使った時に
何か違和感がありました。
何かが変、
あまりにもうまく生地がまとまり、きれいに焼ける。
だけど、味が微妙、まぁまぁ、
売っているパンに似ている感じです。
よくよく調べてみると、
原材料に米コウジやクロレラを
配合していました。
おそらく発酵を助けて、仕上がりをきれいにする効果でもあるんだろうけど、
仕上がりの見た目とは逆に風味は
完全に劣りました。
( 生粋のヨーロッパやコルドンブルーのような正統派では、混ぜ物はおそらくタブーかと思います。比較することすらダメかもしれません。)
簡単にいうと、そのような粉であれば、
使いやすくて、それなりのパン(まぁまぁ良い、英語でベリーグッドのようなパン)ができます。
他を知らなければ、十分おいしいパンだと思います。
下手に失敗して、トーンダウンするよりは、
それなりの粉でいいかもしれません。
研究した上で、麹を足しているわけだろうし、
粉は扱いやすい。何の問題もないと思います。
ただ、私にように何らかの疑問を持つ人、
ちょっと変わった人には向かないと思いました。
たとえば、
大半のパン屋さんのバゲットパンが
今ひとつだと思う人です。
わかる人は知っている、そんな程度です。
ですので、一概に良い悪いと言う気はありません。
ただ、良い粉と出合い、むちゃくちゃ美味しいパンができたら、
それなりの粉は、
しょうもない粉と思えてしまう。
正々堂々と、粉ストレートで勝負できんのか、とさえ感じます。
製粉は奥が深く、
どこの誰がどのように栽培したのかまで原材料を把握している会社もあります。
さらに製粉技術だけでも細かさや配合まであってキリがないくらいです。
大半の粉はそれなりにいい。
でも実際は小さな製粉会社であっても、
工夫したり、
小回りのきくような、独自のルートを確保し、粉を作っているところもあります。
長くなるので割愛しますが、
個人か小さなパン屋さん向けの粉を
作るようなところが何社もあります。
そのようなところから、ありったけの粉を試してみる。
良い品質のものは、生地がベタついたり、
きれいに膨らまないようなことがあって、
扱いにくいことが多いです。
欠点は扱いにくい。
しかしながら、仕上がりの風味が格別にいいことがよくあります。
それでも、製粉会社が色々なパターンを
用意してくれています。
また要望を聞いてくれるところもあります。
完全にマニア向け、とでも言えます。
使いにくいものを使ってみた先に、
とてもおいしいパンになることが
よくあるんです。
良い粉であれば、色々と助けてくれます。
たとえば、配合を自由にしてパンを作る場合、
自分で色々なもの(私の場合、青梅や梅肉、赤シソ、米ぬかなど)色々と我流に走ったとしても、美味しく仕上がることが大半です。
なぜなら、ベースが良い粉であるからです。
何度か安いものを試したことがありますが、
いけてないものばかりでした。
先の粉も3回は使いましたが、
そこそこ良い、何かごまかしたような感じがあって、私には今ひとつでした。
私の場合ですが、技術は全然です。
だから良い粉をずーっと探しています。
いいと思ったのはたくさんあります。
でもまだ知らないものもあるので、
これからも試していくところです。
材料悪ければ、
我流では今ひとつの味か、変なパンにしかなりません。
それなりのものでいい、
安く抑えたい、人それぞれ価値観は違います。
忙しい人は、ホームベーカリーなどでも十分だと思います。
ただ、世の中には色々な粉がある、
手で触れて使うとよくわかることがある、
とだけでも想像してもらえれば十分です。
もし、売っているパンに
何かしら疑問があり、
自分でパン作りをしてみたい人には
多少は参考になればと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?