手づくり味噌の気になること①カビ(写真あり)
一度お味噌を手づくりすると、そのおいしさからやめられなくなるお味噌作り。
私自身も、お味噌に魅了され、作ったり、色んな地域のお味噌を購入したり、今ではお味噌作りのワークショップもやるようになりました。
私の生徒さんも、
「手作りのお味噌ってこんなにおいしいの!?」
とその味に驚き、毎年リピート仕込み。
なんなら、家族からも「もっと作って来て」という熱いリクエストで増量という方も多いです。
「お味噌作りにチャレンジ!」で、
冬や春に手づくりのお味噌を作った方々へ。
仕込んだお味噌がどうなるか気になりますよね。
特に心配になるのが「カビ」。
「カビたらどうしよう~」と気になる方も多いです。
お味噌作りを始めて約5年なりますが、私もいまだに気になります。
長年作っている方の話でも、カビは生えるものだと聞きます。
私の経験上になりますが、
冬や春に仕込んで2,3か月後から梅雨にかけて、カビやすい時期な気がします。
今回、私の経験から、カビができやすい条件や、これってカビ!?などの情報をシェアできたらと思います。
なお、仕込みは、樽ではなく、ラミジップなどの頑丈な「袋」に仕込んだ場合を中心に記します。(私には、タッパーや樽より、袋が取り扱いしやすいので)
袋にお味噌を仕込む作り方は、中身の状態も見やすく、持ち運びもしやすいため、私のお気に入りです。
ラミジップについてはこちらの記事に詳細を書いています。
手作り味噌のカビについて(カビの写真あり)
カビやすい条件
カビは空気や水を好みます。
お味噌は、仕込んだ後、発酵熟成の過程でガスが発生します。
袋で仕込んだ場合、そのガスがたまり、袋が膨らみます。
そのままにしておくと、お味噌の表面が空気に触れるため、カビが生えやすくなります。
なので、特に注意してチェックする場所は、お味噌が空気に触れやすい表面部分です。
内部や側面は、空気に触れないため、カビはほとんどはえません。(空気や雑菌が入っていた場合は除く)
袋の上部に空気がたまってきたら、空気を抜いて、またしっかり閉めましょう。
カビやすい時期は、1か月に1,2回は気にしてあげるとよりよいでしょう。
「おいしいお味噌にな~れ!」と気づかってあげると思いが届くかも?
ガス・空気の抜き方
袋の中に空気やガスがたまってきたら、お味噌を仕込んだときのように、
しっかりと空気を抜きましょう。
私の抜き方は、お味噌をひっくり返して、入口を下にし、空気をしっかり抜きながらチャックを閉めます。
ただたまり(水分)が出ていると、ひっくり返すとこぼれるので、その時は、立てた状態のまま空気をしっかりと抜きます。
チャック部分に、水分やお味噌がついている場合は、雑菌や空気が入る原因になるので、キッチンペーパーなどできれいに拭き取ってください。
お味噌の表面が袋と密着していると、空気に触れにくくなり、カビ発生を防ぎます。
カビの種類(写真あり)
「どれがカビ?」と、戸惑う方も多いです。
いかにもカビ!というモノ以外は、少しわかりにくいと思います。
表面にできた白いものはカビ?
チロシン
白い結晶のようなもので袋の側面などにできるものは、「チロシン」というものでアミノ酸の結晶のため、食べても大丈夫とのことです。
熟成が進んでくると出てきますが、お味噌を使うときには、私も白いチロシンも混ぜこんでしまって食べています。
産膜酵母
表面にできた白いものは、「産膜酵母」の可能性が大きいです。酵母菌の仲間で身体には害はないそうですが、風味を損ねるため、取り除くこともあります。
手づくり味噌にできたカビ(カビの写真)
モコモコして立体的である、色が黄色や黒、緑色の場合はカビの可能性があると思います。
生徒さんや友人が作ったお味噌のカビたちも含めて、ご紹介します。
※ここからは、カビの写真が登場するので、気が進まない方はご覧にならないでください。
ほぼお味噌の表面にできています。
これらはカビの可能性が大です。
直ちに!ではありませんが、できるだけ早く取り除いた方がいいと思います。
カビの取り方
カビが生えても、取り除けば、残りの部分は食べられます。
カビを取り除くときに準備するもの
・清潔なスプーン
・キッチンペーパー
(厳重にする場合は、塩や焼酎などのアルコール)
水分のついていない清潔なスプーンを使ってください。
スプーンでカビの1㎝下くらいから、周りも1㎝四方ですくって取り除きます。
接していた袋の内側部分などは、キッチンペーパーなどで拭き取ります。
カビを取り除いたあとは、平らにならします。
(表面積を少なくするため)
さらに、カビをとった部分に塩を多めにふっておく(ふり塩)と、そこからはカビにくくなります。
ただ、できあがりのお味噌を食べるとき、塩をふった部分はしょっぱいので取り除くことになります。それももったいないので、私は自宅用ではあまりふり塩はしません。
保管場所
お味噌ができるまで、私は、室内の比較的涼しい場所に置いておきます。
高温、直射日光が当たるところは適していません。
できたら一日の温度変化が小さく、換気のよいところがおすすめです。
我が家は、階段近くや廊下などの棚や段ボールに、入れて電気の光もできるだけ当たらないようにしています。
少量ならば、仕込んだ袋ごと、大きい紙袋に入れて、光を遮断してもいいかなと思います。
カビの防ぎ方
まず重要なのは、お味噌の仕込みの時です。
清潔な手と道具で行い、空気に触れさせない対策などが大事だと思います。
それでも、カビができるときもあります。
「やっぱりカビは嫌だな…」という方は、仕込んだ手作りのお味噌を
「気にかけてあげる」というのも大切だと思います。
ペットや観葉植物のように、手づくり味噌もこまめに見てあげると、空気に触れていないかなど変化にも気づけます。
そして、「チェックするのを忘れちゃう」という方は、目につきやすいところや、毎日通るところにおいてあげるのもいいかなと思います。
(光は当たらないように)
または、チェック表を作ったり、スケジュールのリマインドに入れておくのもおすすめです。
教室で作ったあとも、みなさんのお味噌の経過状況をご連絡いただいたり、見せていただくことも多いのですが、私の感覚では、自分の赤ちゃんのように手作り味噌を持ち帰り、ちょこちょこ眺め、空気を抜いてあげたりしている方のお味噌は、カビが発生することも少なく、熟成もいい感じに進んでいる気がします。
子供のように話しかけているという方もいらっしゃるくらいで、3キロというちょうど新生児のサイズ感もいいのかなと思います。
でも、もちろんそこまでする必要もないし、比較的放っておいてもおいしいお味噌にはなります。なるので私は続けられています。(私は面倒なことが苦手なので)
かわいがりながら、気軽に作ってみてください。
お味噌についてはこちらもごらんください。