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伝わらなくても

いつからだったのか。
君が自分以外に期待をしなくなったのは。
受け入れてもらおうとしなくなったのは。
自分以外を信じなくなったのは。


自分の存在を認めてもらおうと、
受け入れてもらおうと、
必死に自己顕示をしている君のSNSが好きだった。
いつからか投稿という名の独り言が怖くなったと、
見るのが楽しかったSNSが見るたびに
劣等感を感じるものなったと言っていた。

君は個性的だね、不思議だね、独特だね、
そう言われるたびに自分を否定されている気がすると溢していた。
君の理想も理想の君もその言葉が崩しまっていたのかもしれない。

君はアイドルを見るのが苦手だといっていた。
本当はアイドルを受け入れられる人になりたかったと苦しそうに切なそうに溢す君が好きだった。

君を否定する大人に、なぜ分かってくれないんだと、
自分こそが正義だと、分かってもらおうと反抗していた君が好きだった。


いつからだっただろうか。
君がうまく笑えなくなっていったのは。
君がどこでも笑うようになったのは。
私の好きだった笑い声が、笑ったあの目が、
変わってしまったのは。
否定される事に安心感を覚えるようになったのは。
まるで自分の事を見てくれている人がまだいたんだと安心するかのように。

なぜ気づけなかったのか。
君が全てから逃げるようになった事、
傷つかなくなった事、
自分すら信じなくなった事。



本当はあの時に伝えたかった言葉、
もう君に届くことはなくても伝えたいと思った。
今でも私の世界では君が可愛いの基準だし
いつだって君が正義だと。


私は、いつだって君を追って生きている。

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