自分の料理ってなんだろう?を本気で考える。
「自分なりの料理で食材を美味しくすること。」
僕はそう思います。
昔、東京のお店の先輩に「自分の料理ってなんだと思う?」と聞かれた時に、自分なりに出した答えです。
今もその考えは変わったわけではありません。ですが、今は少し違和感があります。
まずは料理の漢字について少し考えてみたいと思います。
「料」は「材料」「原料」「価値」などを意味します。元々は、穀物を測るための容器を表す象形文字で、そこから「測る」「価値を計る」といった意味が派生しました。
「理」は「道理」「整える」「秩序」などの意味を持ちます。物事を合理的に理解したり、整然と処理するという概念を含んでいます。
ということは、料理とは食材を選ぶことから始まり、理にかなった調理を行うプロセスを秩序立って行うということ。
なんか難しいですね。
簡単に言えば、
食材を選んで、最も良い調理法で順番通りに作業をこなしていくことです。(なんか昔に言った僕の言葉に近くないですか?)
ここで重要なのは、3つに分けられること。
食材を選ぶパート、調理法を選ぶパート、順序をこなすパート。
それぞれが一貫していることが必要です。
ですが、
一貫させるにはどこを目指すのか?(ゴール)が大切になります。
そうなると、実は料理にはテーマが必要不可欠なのです。
漢字だけを見るとそこが欠けています。
例えば、手元にカボチャがあるとします。
これをポタージュにするために、普通に煮込んで裏ごしし、塩とクリームで味を調えれば、確かにカボチャのポタージュは完成します。
しかし、
このポタージュには特にテーマがないので、味は美味しいかもしれませんが、どんな場面で出すべきか、何を伝えたいのかが曖昧です。
ここで、
「秋の収穫を楽しむポタージュ」というテーマを設定した場合はどうでしょうか?
まず、使うカボチャは秋に旬を迎えるものを選び、他にもサツマイモやキノコなど、秋を象徴する食材を加えます。
カボチャは最初にローストして香ばしさを引き出し、サツマイモやキノコを加えてじっくり煮込みます。
そして、仕上げには濃厚なクリームを使って滑らかさを出し、少量のシナモンやナツメグで風味を加えます。
これによって、
ポタージュは「秋の豊かさを感じられる一皿」へと進化し、食べる人に秋の季節感を楽しんでもらえる料理になります。
このように、テーマがあることで、料理の全体像がはっきりし、伝えたいメッセージや方向性が明確になります。
これは結構重要なことで、見落としがちですが、テーマこそ料理を進めることができる指針です。
そして、ここからが本題。
料理に命(オリジナリティ)を与える作業。
それはストーリー(物語)を持たせること。
料理をやる上でこれに関しては絶対に必要なものではありません。
しかし、料理がストーリーを持つと食べるだけにとどまらず、記憶や感情にも訴えかけます。
誰にもできない僕オリジナルの料理になります。
そして、
その脚本の根源には生産者がいます。
その人たちがいるから、僕は感性を刺激されて、これを作りたい!表現したい!となるのです。
だから、
とにかく生産者に会いたいし、話を聞きたい。
NOMAD CHEFになるって言ったのもここが大きいと思います。
ちなみに生産者とのディナー
「Narrative Dinner 」ではこんな感じ。
白糠の羊飼いとのディナーではその方が生産した羊肉、彼が生活していたモンゴルの記憶を1つの料理として、落とし込みました。
それが、「ボーズ」
モンゴルの蒸し餃子で、寒冷な気候に適した料理です。
この料理を通じて、彼が過ごしてきたモンゴルの厳しい環境や、そこから得た知恵や技術を食べる人に感じてもらいたいと思いました。
そして、彼の考え方「足るを知る」をその料理と共に、彼の物語を文章としてメニューに記し、食事をしながらその背景を味わっていただく構成にしました。
こうしたストーリーが加わることで、料理はただの食べ物ではなく、誰かの人生やその土地の文化を感じ取る『体験』になります。
それは、
僕にとって『料理』を食べるだけじゃない、大切な表現方法だと考えています。
生産者がいて、その人やその土地のストーリーがあって、料理を作っていく。
面白くないですか?
僕は面白いと思います。
だからやりたい。
そして、料理に命を与えると愛着が生まれます。
愛着のいいところは、この料理を最後まで責任を持とうと思えること、それが料理の質や意味に繋がる。
そう。それが今は料理に対してあるんです。
だから、今の僕に同じく「自分の料理ってなんだと思う?」って聞かれたら。
「僕の料理は物語を食べることです。」って答えます。
なんか、自分のやりたいことが少しずつ見えてきたみたいです。
少なからず、RED U-35のテーマ「自分らしさ」を考え抜いたことがこの今の結論につながっていると思います。(今年はブロンズエッグにも進めませんでしたが、応援してくれていた皆さんありがとうございました)
相変わらず、美味しいものが作りたいと毎日思ってはいますが、こんな考えで最近は料理に向き合っています。
告知です。
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アナウンス①📣
1奥田シェフとの一夜限りのコラボディナー(10月24日開催)
場所 横浜市桜木町コレットマーレ7階
奥田シェフはアルケッチャーノ創設者で地産地消を先駆けのシェフです!(偉大なシェフとのコラボ楽しみです!)
アナウンス②📣
シェフレピさんさんとのコラボ第2弾in東京(10月25.26日開催)
イベント内容が変わります!
詳しくは分かり次第連絡します!
アナウンス③📣
【美しい村料理部】木曽町での1日レストラン開催。
(12月15日開催)
木曽町の面白い生産者や食材などを落とし込んだ。
総合芸術のディナー会を行います!
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丘の上のオーベルジュ ハートンツリー
ハートンツリーの暮らしやstay
@heartntree_homestay
ハートンツリーのレストラン情報や料理
@heartntree_restaurant
ノマドシェフ服部大地
@hattori.daichi
ノマドシェフとは世界中をフィールドとして、
食材や生産者に向き合い、インスピレーションのままに料理する料理人。(だと思います笑)
〒085-1200
北海道阿寒郡鶴居村字雪裡496-4
電話 0154-64-2542
営業時間
ランチ 11:00~14:00(ラストオーダー)
ディナー 17:00~(要予約)
木曜定休
HP
http://heartntree.jimdo.com
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