第3回 積読解消旅 報告書
第3回と銘打ったが今回初めて報告書を書く。
数年前から年に1~2回、地元のホテルに泊まってたまりにたまった積読を一気に読み進めるのが恒例行事になっている。
きっかけはパンデミック。それまでも一人旅は好きでよく出かけていたが、感染対策のために予定していた旅行は延期することになった。そんな話をした知人に紹介されて地元のブックホテルに泊まった。
地元であってもホテルは非日常感が漂っていて、何より食事・掃除を気にせずひたすら本を読める快適さにはまった。以降それを頼りに仕事をしているといっても過言ではないほどはまり、年に数回積読解消旅と銘打ってスーツケースの半分に本を詰め込み出かけている。(ただし、ブックホテルに泊まると積読が解消されないので、初回以外は別のホテルに泊まっている)
この連休もそうして過ごしたので読書記録を残すことにした。
前哨戦 パーシージャクソンとオリンポスの神々5最後の神 外伝 ハデスの剣
最新シリーズが完結したので図書館から2冊ずつ借りて、第1作から読み直していた。持っていきたい=読みたい本がスーツケースに入りきらず、家にいるうちに読んでしまうことに。何度読んでも大好きなシリーズ。私の中ですっかりポセイドンはアロハとセットになってしまっている。
1・2冊目 東京バンドワゴン イエロー・サブマリン グッバイ・イエロー・ブリック・ロード
まずは文庫からスタート。前回のおさらいをして、最新の堀田家事情を振り返ってから最新作へ。(毎回人物相関図が大きくなっていくので、復習は必須。)今回は帯文から、マードックさんが事件に巻き込まれると不穏な響きを醸し出していたが、堀田家にかかればあっという間に解決。懐かしい人にまた会えた気分。来年会えるのを楽しみにしてます。
3・4冊目 スタバで仕事関連の本を
1日目は日ごろの疲れか上記2冊で終了。2日目はおいしい朝食後、元気なうちに「読まなきゃいけない」本を読むことに。近所のスタバに入り、ちょっと現実に戻って勉強。こうしたアップデートは尊敬する上司の真似。なかなか追いつけないけど・・・
5冊目 烏の緑羽
第2部に入って、大好きな人?烏?の変貌にショックを受け、なかなか手が伸びず積読になっていた。しんどかったら次を買うのはやめるか、と思っていたがあっという間に引き込まれていった。これまでちょいちょいでてきたお兄ちゃんとその周りのお話。読み終わった後に、「まったくしょうがないな~」とこれまでのお兄ちゃんに呆れつつも、大きなうねりを見せるこれからの物語が楽しみでしかたない。
6冊目 透明な螺旋
大好きすぎて「もっと落ち着いたときに読もう」と思って積読になっていた1冊。事件はシンプルだけれども湯川の私生活がこれまでになく出てくる。とは言っても、湯川先生のどこか浮世離れした雰囲気は変わらない。10年以上年月を重ねたであろう湯川先生と草薙・内海の3人のこれからをまた覗ける日が楽しみ。
7冊目 物語の種
今回1番笑った1冊。読者の投稿からスタートした10編の物語。なんだけれども別の物語の続きや、ほかの作品からの種、あるいは作者のエピソードが盛り込まれたうれしい特典が盛りだくさん。特典といえばおまけSSが購入者用にネットで公開されていて、そちらもばっちり楽しんだ。とりあえず、宝塚のことはもっと知りたい。
8冊目 香君
大事にしすぎて積読 第2弾。何年物?というレベルで申し訳ない。じっくり静かに2日目の夜から翌朝にかけて読み込んだ。上橋さんの小説はいつも政治や歴史という壮大なスケールと、日々を生きる民の小さな目線が入っている。食べるということは命に直結する。見えないから、知らないからといって存在しないわけではない、物事はどこまでもつながっていく。そんなことを感じた。いつか、もう一つの世界の物語も読んでみたい。
9冊 いのちの木のあるところ
佐竹美保さん×児童書×歴史物語=外れなし。ということで即購入した1冊。イスラム圏そしてモンゴル帝国の各地で戦が起こっていた時代に、祈りと治癒のための施設を国を挙げて、壮大な規模で造った人たちがいたという事実にただただ心打たれた。読み終わってから新藤さんの本を読むのは2冊目と気づいた。10代の時に青いチューリップの物語を読んでいた。その時も美しいトルコの景色に心動かされた。細い縁があるトルコの物語、もっともっと読んでみたい。
宿題のこと
今回は積読が多すぎてスーツケースに入らず、断念した本、持って行ったけれど読み切れなかった本がまだある。近いうちにまた積読解消の旅に出たい。普段の週末でも読めるのに、ここまでため込んでしまうのはそれを言い訳に非日常的な空間に戻りたいからかな。今度は読み切れるように、こまめに読書時間をとるか、早めにホテルを訪ねよう。