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怪獣映画というタイトル

 

河内桃子のようなお姉さんがいたらと思った。東宝の「ゴジラ」第一作は怪獣映画ではなかった。

 少年期に見た時には全く感じることができなかった。NHKBSで60年振りでの鑑賞となりました。原水爆兵器の使用と所有を深く危惧する映画でありました。ゴジラが登場するシーンがあまり長くなかったので、怪獣が大暴れを見たかった少年には、期待外れというような印象をあたえたのであろうと容易に想像できます。その中で河内桃子のようなお姉さんがいたらと思った。「男はつらいよ 寅次郎物語」にも出演されていた。映画の中で彼女の父親役は志村喬であった。
 東宝の「ゴジラ」第一作は怪獣映画ではなかった。国による占領が終わり、米国との条約を結んで、これから国力の充実をいう時代、映画制作者の反戦意識が全面に出ていた。しばらくして鑑賞した東宝の「海底軍艦」もよく考えてみれば、世界平和のために出動していたと理解できる。今となって気づいても遅すぎるが、田舎の普通の少年には、映画を深く理解することができなかった。まあーーそんなもんかー。
 原爆投下後の広島市内は、草木は百年は生えないと言われていた。しかし翌年の夏、夾竹桃には紅色の花が咲いた。小津安二郎が映画のなかで鶏頭の花を写し込んだように、ゴジラ映画にも夾竹桃の花のワンカットが欲しい。

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