「こころ」を読み終えて 25/01/09

昨日はあの日記を書き終えてから、夏目漱石の「こころ」を読み、無事に読み終えたのであるが、この小説はあまりに厳しい小説で、絶望中毒者である私も流石に堪えてしまった。「精神的に向上心のないやつは馬鹿だ」この言葉が何度も思い出されて、あまりにも辛い。そもそも私は絶望をしたくてこの本を読んだのであって、その欲求は満たされた為に、この読後感には勿論喜んでいるのであるが、それにしても、自分の後ろに常に何かが迫っているような、底知れない恐怖が拭えない。殉死。その二文字に、恐怖と、憧れとを感じながら、昨夜は目を閉じて、今朝は目を開けた。流石に今朝になったらある程度は落ち着きを取り戻したような気がするが、それでも、どこか生命が脅かされているような気がする。今日は今冬で一番寒い。けれども、流石に今日の私はこの寒さを我慢しようとは思えなくて、珍しく、暖房の電源を入れた。暖かい部屋で温かいホットコーヒーを飲んで、信長の野望で遊んでいた。本当はやらねばならぬ事があるような気がしながら、午前中は寛いでいた。

昼からは例の近所の古民家での集まりであった。誰かと話をしようと思ってもとても楽しく話せそうな精神状態では無かった為に、正直出掛けるのが楽しみでは無かったのであるが、他方で自宅に居ても落ち着きを得ないし、案外人と話せば調子もマシになるだろうと思って、ヒラヒラと雪の舞う中、無理をしないようにと普段より厚着をして、頑張って玄関を出たのであった。結局、集まりには人が来てくれて、そして読み通り、そうして強引にでも人と話していると何やら調子も整い、何だかんだで外出の結果、息継ぎ程度の落ち着きを得る事には成功したのであった。その後、夕方には一度帰宅をした。とは言え、夜からは大津のお寺で聞法会があるので、一時間程コタツで休んでから、慌ただしく荷物を背負って、また芯から冷える街中へと歩き出した。家を出る前に一杯ホットコーヒーを飲んだ。普段はこのような時間にコーヒーは飲まないのであるが、今日はそれぐらい構わんだろうと思って、一時間かけてゆっくり飲んだ。幸いな事に、列車は遅れていなかった。今夜はこの調子であれば雪かもしれない。帰りの列車は動くだろうか。

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