子どもと~をしてきたかの軌跡が子育てを楽しくする
あと1日で2月も終わり、いよいよ春本番の3月を迎えます。沈丁花が良い香りを放って咲いていると、ああ春だな~と思えてきます。
昔から日本に伝わる子育ての知恵の中から、今の時代にも通じる子育てのヒントをお伝えしていますが、今日は子育てが楽しくなるか辛くなるかは、これをしているかどうかによるということをお話します。
子育てが楽しい状態とは、子どもとの関係がうまくいっている・・・つまり子どもの要求を親の自分がある程度のむことができ、親の要求もある程度子どもにくんでもらっていて、双方のバランスがとれたストレスの少ない状態、と言えます。
逆に子育てが辛い状態とは、親の要求を聞いてもらえず、子どもも自分の要求を聞いてもらえず、双方かなわない要求の繰り返しでストレスがたまった状態でしょう。
楽しい状態の時も辛い状態の時も、その日によってまたは一日の中で交互に来るのが当然だと思いますが、なるべくなら楽しい状態で長く過ごしたいと思っていらっしゃる方が多いと思います。
ではどうしたら楽しい状態になれるのか…それはこれをしてきたかどうか、どれだけこれを意識して子どもと接してきたか、それによると思います。
それは、子どもとどれだけ心を通い合わせ共感することをしてきたか です。
どれだけ目を合わせて笑ったか
どれだけ一緒にドキドキわくわくする瞬間を過ごしたか
どれだけ同じ空を見上げて雲の美しさに見とれたか
どれだけ冬の寒さに寒い寒いと一緒に縮こまったか
どれだけ陽の光のあたたかさにぽかぽかのぬくもりを感じたか
どれだけ怒った後の仲直りをして抱きしめ合ったか
どれだけ「いないいないばあ」をして笑いあったか
どれだけお風呂の中で一緒に歌いあったか
どれだけ寝る時に昔話をしたり夜の暗さのドキドキと安堵感とを味わったか・・・等々
それは漫然とおままごとにつき合った、とか、砂場で遊ぶ子を見ていた、ということではなく、ほんの短い時間でもがっちり心と心が通い合う瞬間を過ごしてきたか、それの軌跡によるのです。
子どもに一人遊びをさせてほっとする時間も必要かもしれませんが、それだけでは心と心は通わず、だんだんと親子の気持ちの通い合いが薄くなっていきます。
それよりはぐちゃぐちゃになりながらも一緒に料理をしてわいわい笑いあったり、大変なことになって叱っちゃったり、でも食べて美味しかったり…
生身の人間同士の気持ちの共感、ふれあい、同じことを感じたねと言う瞬間・・・それがどれだけ積み重なってきたかによるのです。
それは決して2歳3歳の大きくなってからだけではなく、赤ちゃんの時からの積み重ねです。
昔から伝わる日本の子育てには、月齢や年齢に応じて目と目を合わせる遊びが沢山伝わっていたり、名前を呼んでからかって遊ぶ遊びが10以上伝わっていますが、それは、それだけ心と心を通い合わせ、気持ちを通じ合わせることが、子育てには大事なことだと分かっていたからなのです。
日々振り返ってみて、どれだけ最近子どもと心を通わせたでしょうか?
心ときめくような高揚感や、美しい景色を見てじ~んとしたり、何かについて同じ感動、同じ感覚を感じたり、それはその当事者ならわかる感覚です。
それを日々積み重ねていくことが、親にとっても子どもにとっても心地よい状態を作り上げることにつながっていきます。
無理に大笑いしたり、はしゃいだりする必要はありません。そうして疲れてしまって不機嫌になったりしたら、元の子もありません。
それよりは、子どもとの心の通い合いのその親子ならではのやり方を見つけ、時間を少しだけさいて、気持ちを向けていただきたいと思います。
日々小さな積み重ねが、だんだんとじわじわと、響いてきますので。
何か感じるところが合った方は取り入れてくださると嬉しいです。