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【読書メモ】医者が教える最強の不老術 (後編)

前編はこちらからどうぞ。


昨日の投稿では前フリの段階で終わってしまったので、今日はいよいよこちらの本を読んでいく。

まず軽く読んで思ったが、これは洋書だ。ぱっと見、そのへんの日本人が健康ウンチクについて書いた本かと思っていたが、マーク・ハイマン氏の著書だった。そして彼について軽く調べたところ、当時のビル・クリントン大統領とヒラリー夫人の医療顧問を務めていたらしい。めちゃめちゃアメリカ医学界の権威であった

そして内容もめちゃめちゃ難しい。医学部の教科書かと思うくらい専門的な話が繰り広げられる。昨日わたしは「言うなれば、これは私のこれまで培ってきた健康知識とこの本とのバトルである。」なんて書いたが、今すぐ撤回して土下座したい。すいませんでした

マーク・ハイマン氏は「機能性医学」(別名「ネットワーク医学」)を専門にしている。これが何かと言うと、次のとおりである。

機能性医学は、すべての病気には根本的な原因(病因)があり、病気に寄与するあらゆる要因や原因を見つけて対処することが必要だと示唆する。

マーク・ハイマン. 医者が教える最強の不老術――細胞レベルで若返る食事と習慣のすべて (p.55). ダイヤモンド社. Kindle 版.

例えば、あなたがずっとお腹を壊していて病院に行ったとする。大抵の医者は下痢止めの薬を出すだろう。しかし実はあなたは最近博多ラーメンの一蘭にハマって毎晩のように食べていた。これが腹痛の原因であった。しかし医者はそんなコト知らない。対処療法として下痢の症状を治す薬を出すだけだ。

しかし、マーク・ハイマン氏は違う。事細かに患者の普段の食生活をヒアリングし病気の根本原因を突き止める。「あなたは一蘭の食べ過ぎです。生に限りなく近い小麦のカタマリに大量の油と唐辛子ペーストを食べたらお腹を壊すに決まっています。今すぐ一蘭の摂取を中止してください。」と言うのである。そして野菜中心の食生活をアドバイスし、薬を使用せずに治す。

これはものすごく単純な例だが、アイデアとしてはそんな感じである。本著では「重度の肥満、動脈閉塞、心不全、高血圧、脂肪肝、腎臓の機能低下、2型糖尿病」の患者がおり、普段のインスリン投与に加えて腎臓の手術を受ける予定だったが、ジャンクフード中心の食生活から健康的な食事と簡単なビタミン療法に切り替えるだけで3ヶ月で症状が改善した、という例が紹介されている。

人間の身体はそれぞれ相互に動的に結びついてる7つのシステムを持っており、すべて病気の根本原因は、このシステムのどれかの機能不全に帰結する。

身体内でネットワークとして働く7つのシステム
システム1 消化器系とマイクロバイオーム
システム2 免疫系と炎症
システム3 ミトコンドリア
システム4 解毒システム
システム5 コミュニケーションシステム
システム6 循環・輸送系
システム7 構造系

マーク・ハイマン. 医者が教える最強の不老術――細胞レベルで若返る食事と習慣のすべて (pp.55-56). ダイヤモンド社. Kindle 版.

そしてここからがすごいのだが、マーク氏は「老化も病気だ。」と言っている。先ほど言った通りすべての病気はこのシステムの不調が根本原因なので、この7つのシステムの劣化を防げば限りなく老化を防げるのだと。

気になって調べた。上記がマーク・ハイマン氏の近影である。たしかに若々しい。実年齢は63歳だが、健康年齢は43歳らしい。まさに私が昨日書いた、暦年齢 (Chronological age) > 肉体年齢 (Biological age) の理想的な状態である。師匠と言いたい!ちなみにこの生物学的年齢はDNAのテロメアの長さを見ると分かるが、意外と唾液や血液を使った簡単な検査で調べられるらしい。日本にもあるのかな、やってみたい!

余談だが上記の記事を読んで、この本の原題が「YOUNG FOREVER」であることが分かった。それが「医者が教える最強の不老術」である。なんだろう、日本の出版社はダサくしないといけない決まりでもあるのだろうか。

では、ここからが具体的に何をすれば老化を防げるか、である。しかし、ここまでの内容がまだ550ページ分の100ページくらいである。この調子で書いているととんでもなく長くなるので要点だけかいつまんでお届けしたい。それぞれの詳細やこれがなぜ不老に繋がるのかなどその理論・科学的根拠については、これでもかと書いてあるので気になる人は実際に本を読んでいただきたい。

  • 食事編

  • 原則:品質にこだわる、食べ物を薬だと思って食べる

    • 植物をたくさん食べよう

      • キーワードはファイトケミカル。(例:ポリフェノール、カテキン)

    • 果物は加減しながら食べよう

      • 糖分が多いので、ベリー系やキウイなど

    • 健康的な脂肪を取ろう

      • ナッツ、オリーブオイル、アボカドなど

    • ナッツや種子を取ろう

      • アーモンド、くるみ、チアシード、ごまなどなど

    • 肉や卵は放牧でオーガニックに育てられた物を食べよう

    • 魚も養殖ではなく天然魚を食べよう

    • 豆類を食べよう

    • 全粒穀物を食べよう。グルテンは避けよう

    • 穀物油・豆油・種子油は排除しよう

    • 糖分を避けよう

    • 乳製品は避けるか制限しよう

      • 食べるならヤギか羊の乳製品がおすすめ

  • スーパーフードの例(栄養素とベネフィットは割愛。気になる人は本読んでね)

    • ほうれん草、ケール、トマト、スイカ、ニンジン、かぼちゃ、さつまいも、ターメリック、ブロッコリー、芽キャベツ、ブルーベリー、緑茶、烏龍茶、玉ねぎ、イチゴ、りんご、れもん、パセリ、セロリ、大豆、豆腐、納豆、コーヒー、赤ワイン、きのこ類、オリーブ、藻類、藻類を食べる魚、ココナッツオイル、MCTオイル

  • ファスティング

    • 夜ご飯から朝ご飯までの間は12~14時間くらい空けよう。

  • サプリメント編

    • サプリは必須ではないが保険になる

      • ビタミンD、DHA、マグネシウム、プロバイオティクスなど。あと20個くらい紹介されていたが、割愛。

  • ライフスタイル編

    • 運動しよう

      • 有酸素運動、筋トレ、柔軟、全部身体にいい。

    • 睡眠にこだわろう

      • 睡眠不足は死亡リスクが高まる。睡眠のコツが23個も紹介されていて笑った。ここだけで本が書けそう。

    • 人生の目的を見つけよう

      • 生きがいはいつまでも若く健康でいられる秘訣

    • ホルミシスを取り入れよう

      • この言葉自体は聞いたことがないと思うが、身体にとって小さなストレスは逆に健康に良いという話だ。

      • 例:ファスティング、サウナ、冷水シャワー、筋トレ、など

他にも色々あるが、だいたいこんな感じだ。印象的だったのは、全編通して「糖」と「デンプン」をこれでもか悪者に書いていたこと。こことか、あまりにもボロクソに書くので笑ってしまった。マークちゃん、タピオカミルクティー飲んでる女子高生とか見たらブチギレそう。

こうした多量の糖とデンプンこそ、老化の最も強力な原動力であることが判明している。それは長寿スイッチをオフにするとともに、ほぼすべての老化の典型的特徴を加速させる。 つまり、テロメアを短くし、DNA、タンパク質、エピゲノム、ミトコンドリア、マイクロバイオームにダメージを与えるのだ。さらに糖とデンプンは、炎症を加速させ、ホルモンを攪乱し、幹細胞を老化させる。健康で長生きしたいのであれば、糖とデンプンは摂らないか、ごくたまにしか摂らないようにすべきだ。

マーク・ハイマン. 医者が教える最強の不老術――細胞レベルで若返る食事と習慣のすべて (p.130). ダイヤモンド社. Kindle 版.

最後に、昨日書いた私の健康習慣と答え合わせをして終わりたい。

ヨーグルトは避けたほうがいいと書いてあったのが意外だったが、それ以外は特に問題なさそうだった。健康に悪いかもとビクビクしていた大好きなコーヒーだが、ポリフェノールはやはり身体にいいみたいで推奨されていた。よかった。現在の自分の習慣にこの本のエッセンスを取り入れていきたい。

本当にボリュームが多くて1日で読むのは相当しんどかったが、内容は濃くて網羅的で、健康についての本はもうコレだけでいいやと思えるくらいめちゃめちゃいい本だったと思う。著者の考え方にかなり共感できたし、マーク氏のYoutubeも登録した。タイトルと表紙のセンスの無さだけが、出版社の売り方だけが問題の本でした。


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