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れいわ新選組を追う

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2020年7月の記事一覧

ルサンチマンのゆくえ

れいわ新選組の大西氏除籍処分に対して、これまで熱狂的にれいわと代表山本太郎を支持してきた人たちの一部が憤慨し、一転、陰謀論にまみれたれいわと山本批判に走っている。理屈では「誰もが何度でもやり直せる社会」を綱領(サイト上のタイトルは『決意』)に掲げながら、動画での発言だけで除籍するのは許せない、ということらしい。 この理屈が的外れであることは前ポストで触れたが、理屈よりもむしろ憤慨のほうが問題としては大きい。というのは、憤慨は、信じて支援してきたれいわと山本太郎に「裏切られた

大西つねき氏擁護論を批判する

一昨日の16日、れいわ新選組は(党員)総会を開いて、大西つねき氏のyoutube動画での発言について、党としてとうてい許容できるものではないとして「除籍」処分を決定した。総会後の記者会見で代表山本太郎氏は、「決定の採決結果は、対象者である大西氏をのぞく出席党員16名のうち、除籍賛成が14名(うち委任1名)、反対が2名だった。反対の2名も大西発言は処分に相当するが、除籍には反対であり、一定期間の党員資格停止などの提案があった」(筆者注:投票数については、全党員が現在18名であり

大西つねき氏の居直りと木村英子氏による批判

れいわ大西つねき氏が「生命の選別も政治の役割」とし、「社会システムとして高齢者が先に逝ってもらうことも考える必要がある」とむき出しの優生思想をyoutube動画で語ったことをめぐり、れいわは紛糾を続けているが、本日16日に総会が開催され、そこで大西氏の処分が決定される予定になっている。 ところが総会を前にした15日、突然大西氏が「(謝罪と動画公開停止は)多くのお叱りを受けたがその通りであり、自分の語ったことを隠す必要がないと考えるに至った」との理由で問題動画を再公開するとい

大西つねき発言 -批判と経過-

れいわ新選組の大西つねき氏の「生命の選別発言」をめぐって、事実経過と私自身がどう考え批判してきたかを明らかにしておきたい。れいわ新選組は14日からの週に総会を開催し大西氏の正式処分を決定する予定だそうだが、その結果をどう判断すべきかの視点の一つとして参考にしていただけばと思う。ことは大西氏個人だけではなくれいわ新選組全体の問題であり、同時にまた他の政党も直面している問題でもある。 簡単な事実経過 (1)7月3日、れいわ前立候補者で党員の大西つねき氏が、『「正しさ依存症とそ

国家と人権、その向こう側

以下は2014年に書いた短いメモ書きだが、いま香港で起こってい事態から思い返したのでnoteに再録しておきたい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 現在私たちが世界で目撃しているのは、国家と呼ばれる政治権力によって「人権」が無視され、つぎつぎと破壊されている状況である。 「人権」の破壊とは、つまるところ政治権力が人びとに対して剥き出しの絶対暴力として姿を現し、彼らにとって必要と判断した場合には、実際に容赦なく人びとを殺戮することに他な