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日記

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他者の命っぽさにときめくという話

他者の命っぽさにときめくという話

2024年12月28日

自己主張をあまりしない友人がいて、店や行き先を決める時にいつも何でもいいよと言う。本当に何でもいいらしい。高校時代に私がバレーボール部の見学に行くと言ったらじゃあ、と付いてきてくれて、私が入部届を出したときにじゃあ、と一緒に出していた。大学時代も同じような流れで吹奏楽サークルに入り、そこまで好きでも嫌いでもなく義務感で引退まで続けていたらしい。
久々に会った帰り、二人で電

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複雑な感情を複雑なまま漂白すること

複雑な感情を複雑なまま漂白すること

2024年11月29日

正社員時代の同期に誘われて、4人で飲んだ。
大学卒業後の2年半勤めていた会社。その頃の同期で今も縁が続いている人が少しだけいて、そのうちの1人に、普段は大阪勤めだけど東京に出張に来るからと誘われたのだ。会に集まった他の2人は、連絡を取り合うことはないけれど、会社にいた頃少し交流はあったくらいの関係。

楽しめるだろうかと緊張して行ったわりには楽しかったけど、寂しい会だった

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図書館司書として4か月働いて、昨日辞めた。いい仕事だった。

図書館司書として4か月働いて、昨日辞めた。いい仕事だった。

2024年11月13日

夏から4か月、図書館司書として大学図書館で働いていた。昨日退職した。理由は金銭面。最低賃金×6時間×週5、ちょっと生活が苦しかった。
でも仕事は今まで経験した中で(アルバイト含め)、一番好きだった。

開館前の電気がついていない図書館を初めて見た。電気がつけられ開かれた場所になる前の図書館で、本たちに潜む膨大な時間が呼吸しているのを微かに感じた。晴れた日は磨りガラスから光

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迎えに行く

明日の朝、雨が降るだろうから、傘を持って駅まで迎えに行くことにした。
10時ごろに着くらしいけど、それより少し余裕をもって起きて、朝の支度を終えておこう。
そう決めて、人を迎えに行くための早起きは気持ちがいいなあと思った。

駅まで送ったり、迎えに行ったりするとき、相手が喜んでくれるとすごく嬉しい。
あ、喜んでくれるんだ、と思う。私が一緒に歩くことを。
好きかもしれない。送ること、迎えに行くこと。

仏花

このまえの日曜日、仏花を持って歩く人を見た。
買い物袋を持っていない方の手で、根もとを掴んで横にして持ってた。
仏花というものの持ち方は、乾いていていいなと思った。

そして今日、仏花を持って歩いていた人の姿を思い出した。
ふと、仏花というものがわかった気がした。

なるほどたしかに花がいいのだ。
手入れや入れ替えが必要だから、気にかけ続けなくちゃならない。
だから、亡くなった人を忘れることはない

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