仏花

このまえの日曜日、仏花を持って歩く人を見た。
買い物袋を持っていない方の手で、根もとを掴んで横にして持ってた。
仏花というものの持ち方は、乾いていていいなと思った。

そして今日、仏花を持って歩いていた人の姿を思い出した。
ふと、仏花というものがわかった気がした。

なるほどたしかに花がいいのだ。
手入れや入れ替えが必要だから、気にかけ続けなくちゃならない。
だから、亡くなった人を忘れることはない。悲しみが乾いても。
それは希望かもしれない。

夫のことがすごく好きだ。
だから、もし、もし彼が先に亡くなったら、毎日寂しくて、たくさん泣いちゃう気がする。

でも別れの記憶は、乾いていくこともできる。
それは忘れることとは違う。
悲しみが乾いても、あの人の存在は私の生活に在り続けることができる。

(だけどできるなら、私と私の愛する人がみんな不老不死ならいいなあと思っちゃうあたしもいるよー)

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